米労働省から毎月発表される米国の雇用統計データに人事コンサルタントの視点からコメントを付けて掲載しています。
12月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月から14万5000人増加となり、市場予想を下回った。11月は25万6000人増(速報値26万6000人増)に下方修正された。
12月の失業率は3.5%だった。
平均時給は前年同月比2.9%増となったが、伸びが3%に届かなかったのは2018年7月以来1年5か月ぶりとなった。
12月の民間部門の雇用者数は13万9000人増となった。政府部門は6000人増だった。
製造業は1万2000人減少となり、市場の増加予想に反してマイナスとなった。小売りは4万1000人増、教育・ヘルスケアは3万6000人増だった。
12月の米国労働省の雇用統計は市場予想を下回り、特に製造業の減少が目立ったが、小売りや教育・ヘルスケア部門では雇用が増加している。この状況は人事コンサルタントにとって、業種に応じた人材確保戦略と育成プログラムを提案する機会を提供している。政府部門の増加も注目に値し、公共セクターにおける効果的な人事コンサルティングの必要性を示している。
(2020年1月10日発表)
11月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は26万6000人の増加となり、市場予想を大幅に上回った。今年1月以来10か月ぶりの大幅な伸びとなった。10月は15万6000人増(速報値12万8000人増)に上方修正された。
11月の失業率は3.5%となり、1969年以来の低水準となった9月の数値に並ぶ低水準となった。
平均時給は前年同月比3.1%増加した。10月は3.2%増(速報値3.0%増)に上方修正された。
製造業の雇用者数は11月に5万4000人増加した。10月は4万3000人減少していた。
労働参加率は63.2%に低下。前月は63.3%だった。
11月の非農業部門雇用者数は10か月ぶりの大幅な増加を記録し、市場予想を大きく上回った。製造業の反発や低水準の失業率は、景気の回復基調を示す。人事コンサルタントとして、人事コンサルティングを通じた適切な採用計画と給与戦略が重要となる。労働参加率の低下を踏まえ、多様な労働力の参加を促進し、柔軟な雇用戦略を採用することで、組織全体の成長を支えることが求められる。
(2019年12月6日発表)
10月の非農業部門雇用者数は前月から12万8000人増加した。8月、9月分の雇用者数も計9万5000人上方改定された。
失業率は3.6%となり、前月の3.5%から悪化した。
時間当たり平均賃金は前月から0.2%増加、前年同月比は3.0%増だった。
10月は製造業部門の雇用者数が3万6000人減となり、2009年10月以来の大幅な落ち込みとなった。GMのストの影響で、製造業のうち自動車産業の就業者は4万1600人減少した。スト期間中無給となった従業員は失業者として扱われる。
建設業は1万人増加したものの、1月に5万6000人増加して以降、減速している。
労働参加率は63.3%となり、前月の63.2%から上昇した。
10月の米国雇用統計は、非農業部門での雇用者数が前月から増加し、製造業は特に大きな落ち込みを見せた。人事コンサルタントは、外部環境の変化が労働市場に及ぼす影響を理解し、企業がそれに適応するための戦略を提供する役割がある。特に製造業の落ち込みは、自動車産業のストライキが大きく影響しているため、人事コンサルティングでは危機管理計画と従業員の士気維持が重要である。
(2019年11月1日発表)
9月の非農業部門の雇用者数は前月比13万6000人増となり、市場予想を下回った。過去2か月分の非農業部門雇用者数は計4万5000人上方修正された。
平均時給は前年同月比2.9%増となり、ここ1年で最も低い伸びとなった。
9月の失業率は3.5%となり、前月の3.7%から低下して1969年12月以来の低水準となった。
業種別ではヘルスケアやプロフェッショナル・ビジネスサービスで特に雇用が増えた。小売りは8か月連続で減少となり、建設業は引き続き小幅な伸びにとどまった。
製造業の雇用は2000人減となり、3月以来のマイナスとなった。とりわけ自動車産業は4100人減となり、減少が目立った。
人事コンサルティングの観点から、9月のデータは労働市場の変化に対応する企業の人材戦略の見直しを迫るものである。人事コンサルタントは、産業別の動向を精密に分析し、適切な人材確保と配置、さらにはスキルアップのプログラムを提案することで、企業が市場の挑戦に対応するための支援を行う必要がある。
(2019年10月4日発表)
8月の非農業部門の雇用者数は13万人増となり、市場予想を下回った。6月と7月を合わせた非農業部門の雇用者数の伸びは当初発表から2万人下方改定された。
失業率は3.7%となり、3か月連続で前月から横ばい。8月は57万1000人が新たに労働市場に参入した。
時間当たり平均賃金は28.11ドルとなり、前月の28.00ドルから0.4%増加し、伸びは前月の0.3%から加速し、2月以来の大きさとなった。
平均週間労働時間は34.4時間となり、約2年ぶりの低水準となった前月から増加に転じた。
労働参加率は63.2%となり、7月の63.0%から上昇した。
8月は広範な業種で雇用増のペースが鈍化した。政府部門は2020年の国勢調査関連の臨時雇用で伸びたものの、民間部門雇用者数の伸びは9万6000人にとどまった。
製造業は3000人増となり、前月の4000人増から減速した。月平均の増加数は今年に入ってからは6000人となり、前年の2万2000人から大きく減速している。建設業の雇用者数は1万4000人増となり、前月の2000人減から増加に転じた。ただ、小売業は1万1100人減となり、2月に始まった減少に歯止めがかからなかった。
8月の雇用統計は、経済の減速を示唆する結果となった。雇用増加数が予想を下回り、特に民間部門での伸び悩みが顕著であった。こうした状況下、人事コンサルタントとしての提案は、企業が持続可能な成長を目指し、人材の最適配置と生産性向上を追求することが重要である。また、労働市場の参加率が上昇し、労働供給が増加している点を考慮し、採用戦略の再評価とスキルアップのための教育訓練プログラムの強化が求められる。
(2019年9月6日発表)
7月の非農業部門の雇用者数は16万4000人増となった。5月と6月を合わせた雇用者数は従来から4万1000人下方改定された。
7月の就業者数の増加ペースは、2018年の月間平均である22万3000人と比べて一段と鈍化した。
失業率は前月から横ばいの3.7%だった。7月は37万人が労働市場に参入し、労働参加率は63.0%となり、前月の62.9%から上昇した。
平均時給は前年同月比3.2%増となり、伸びは前月(3.1%)から加速した。平均時給は前月比では0.3%増となり、市場予想を上回った。
雇用の伸びはサービス業がけん引しており、特に教育・医療サービス、プロフェッショナル・ビジネスサービスが牽引した。小売りは6か月連続のマイナスとなった。製造業は半年ぶりの大幅な伸びとなった。
雇用の伸びが前年の月間平均と比べて鈍化しているにもかかわらず、特定のセクター、特に教育・医療サービスやプロフェッショナル・ビジネスサービスが雇用の牽引力となっている。これらのデータは、業界特有の人材ニーズと市場動向を理解し、それに応じた人事戦略を策定することの重要性を強調している。人事コンサルタントは、このような環境下で企業が適切な人材を確保し、効果的に管理するための支援を提供する必要がある。
(2019年8月2日発表)
6月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月から22万4000人増加となり、市場予想を上回った。5月は7万2000人増に下方修正された。
6月の失業率は3.7%となり、前月の3.6%から上昇した。
平均時給は前年同月比3.1%増、前月比では0.2%増だった。
製造業の雇用者数は1万7000人増となり、1月以来の大幅な伸びとなった。建設業は2万1000人増加した。一方、小売は引き続き低調で、5か月連続のマイナスとなった。
労働参加率は62.9%となり、前月からやや上昇した。週平均労働時間は前月から横ばいの34.4だった。
こうした状況下、人事コンサルタントとしては、特に製造業と建設業の成長に対応する人材戦略が重要であると考える。人事コンサルティングの視点から、企業はこれらの分野における労働力確保と技能向上を促進する施策を強化すべきである。一方、小売業の低迷が続いているため、従業員の再配置と新たなビジネスモデルの導入が必要である。
(2019年6月7日発表)
5月の非農業部門雇用者数は前月比7万5000人増となり、市場予想を大幅に下回った。4月は22万4000人増(速報値26万3000人増)に下方修正された。
失業率は3.6%となり、49年ぶりの低水準を維持した。平均時給は前年同月比3.1%増、前月比では0.2%増となった。
製造業の雇用者数は前月比3000人増に減速した。建設業の雇用は4000人増に鈍化し、専門職・ビジネスサービスは3万3000人増と前月の増加数の半分程度にとどまった。小売りは7600人減となり、4か月連続のマイナスとなった。
労働参加率は62.8%となり、前月と同水準だった。週平均労働時間も34.4時間となり、前月と同水準だった。
5月の雇用統計は、雇用増加が予想を大幅に下回り、経済成長の勢いが鈍化している兆候を示している。特に製造業や建設業、小売業などの雇用減速が顕著であり、企業にとっては慎重な人材戦略が必要である。人事コンサルタントとして、企業は雇用の質を高めるために、人材育成とスキル向上に注力すべきである。また、平均時給の伸びが依然として緩やかなため、報酬戦略の見直しや福利厚生の強化が求められる。さらに、経済環境の変化に対応し、柔軟な労働時間管理や労働参加率の向上を図るための施策が重要となる。
(2019年6月7日発表)
4月の非農業部門の雇用者数は26万3000人増となり、市場予想を大幅に上回った。2月と3月の雇用者数は1万6000人分上乗せされた。
内訳では、建設業が3万3000人増となり、2か月連続で伸びた。製造業は4000人増となり、前月の横ばいから勢いが増した。娯楽・宿泊は3万4000人増、専門職・企業サービスは7万600人増となった。
一方、小売りは1万2000人減となり、3か月連続で落ち込んだ。人材派遣は1万7900人増となり、前月の減少から持ち直した。
時間当たり賃金は前月比0.2%(6セント)増と、2カ月同じペースで伸びた。前年同月比では3.2%増だった。平均週間労働時間は前月の34.5時間から34.4時間に小幅縮小した。
失業率は前月の3.8%から0.2ポイント低下した。
労働力人口のうち就職している人もしくは求職中の人を表す割合である労働参加率は4月に62.8%となり、前月の63.0%から低下した。
4月の非農業部門の雇用者数は市場予想を大幅に上回る増加を記録し、失業率も低下した。賃金は前年同月比で3.2%増と安定した伸びを示しているが、労働参加率は低下した。人事コンサルティングにおいては、成長分野への戦略的な人材配置の提案が不可欠である。特に建設業や専門職では人材確保と定着が重要であり、小売りの減少に対しては再配置やスキル向上が必要である。企業の競争力を維持するため、業種別の特性に応じた柔軟な人材戦略を提案すべきである。
(2019年5月3日発表)
3月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比19万6000人増となり、市場予想を上回った。2月は3万3000人増に速報値2万人増から上方修正された。
失業率は3.8%となり、前月と変わらずだった。
教育・ヘルスサービスやプロフェッショナル・ビジネスサービスでは雇用者数の伸びが目立った。建設業は1万6000人増となり、前月のマイナスから回復した。製造業は6000人減となり、2017年半ば以降初の減少となった。
労働参加率は63%に低下(前月63.2%)した。労働参加率は、年齢の高い労働者の退職を背景に低下傾向にあったが、雇用主による人員採用意欲の高まりでここ数か月は上昇していた。
平均時給は前年同月比では3.2%増、前月比では0.1%増となり、ともに市場予想(0.3%増)に届かなかった。平均時給の伸び鈍化は、週平均労働時間が34.5時間に増えたことが一因である可能性(前月は34.4時間)がある。
この状況を踏まえ、人事コンサルティングとして企業に提案すべきことは以下の通りである。まず、成長が顕著な教育・ヘルスサービスやプロフェッショナル・ビジネスサービス分野での人材確保と育成を強化することが重要である。また、製造業の減少に対しては、労働力の再配置やスキルアップ研修を提供し、雇用安定化を図ることが求められる。さらに、労働参加率の低下を受け、年齢の高い労働者の退職対策として、柔軟な勤務形態や再雇用制度の導入を検討すべきである。賃金の伸びが予想を下回る中での従業員満足度向上策として、福利厚生の充実やキャリアパスの明確化も重要である。人事コンサルタントは、これらの施策を通じて企業が持続可能な成長を実現し、安定した雇用環境を提供できるよう支援する役割を果たすべきである。
(2019年4月5日発表)
2月の非農業部門雇用者数は前月比2万人の増加となり、市場予想を大幅に下回った。前月は31万1000人増(速報値30万4000人増)に上方修正された。
失業率は3.8%に低下し、約50年ぶり低水準に接近した。
平均時給は前年同月比で3.4%増、前月からは3.1%の増加となった。
財生産部門は前月比3.2万人の減少となり、2016年8月以来の減少となった。製造業が4000人増となり、前月から伸びが鈍化したほか、建設業が3万.1000人減(前月:+5.3万人)と2016年5月以来の減少となった。
サービス部門の中では、専門・ビジネスサービスが前月比4万.2000人となり、前月から伸びが加速したものの、医療サービスが2万.1000人増、娯楽・宿泊も横這いとなり、前月から伸びが鈍化した。さらに、小売業では6000人減と減少に転じた。
2月の雇用統計は、予想を大幅に下回る結果となり、特に財生産部門での減少が目立った。建設業の大幅な雇用減少や製造業の伸び鈍化は、経済の不確実性が影響している可能性がある。このような状況下では、人事コンサルタントとして、企業に対し、リスク管理を強化し、景気変動に耐えうる人材戦略を構築することが重要である。特に、専門・ビジネスサービスなど比較的安定した分野での人材育成を推進し、従業員のスキルアップを図ることが競争力を高める鍵となる。また、平均時給の増加傾向を踏まえ、適切な報酬戦略の見直しや人材の流動性確保が求められる。
(2019年3月8日発表)
1月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比30万4000人増となり、ほぼ1年ぶりの大幅な伸びとなった。昨年12月は22万2000人増(速報値31万2000人増)に下方修正された。
平均時給は前月比0.1%増となり、2017年後半以降で最小の伸びとなり、市場予想を下回った。
失業率は前月の3.9%から4%に上昇した。失業率の上昇は政府機関の閉鎖を反映しており、一時帰休に伴う失業者は17万5000人増で、そのうちの多くは連邦職員だった。
労働参加率は63.2%に上昇し、2013年9月以来の高水準となった。
1月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が大幅に増加し、労働市場の底堅さを示す一方で、失業率が4%に上昇し、平均時給の伸びが鈍化するなど、一部で不安要素も見られた。特に、政府機関の閉鎖による一時帰休が失業率に影響を与えており、経済全体への影響が懸念される。この状況において、人事コンサルタントとして企業に提案すべきは、労働市場の変動に備えた柔軟な人材マネジメントの構築である。特に、安定した雇用を確保しつつ、報酬戦略の再検討が必要である。また、労働参加率の上昇を踏まえ、多様な人材を活用することで、企業の競争力を高めることが重要である。
(2019年2月1日発表)
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