厚生労働省が毎月発表している公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめた求人倍率などの雇用指標に人事コンサルタントの視点からコメントを付けて掲載しています。
平成28年平均の有効求人倍率は7年連続で上昇して前年比0.16ポイント上昇の1.36倍だった。1991年(1.40倍)以来25年ぶりの高水準を記録した。
企業の求人数が増加する半面、有効求職者が減少した。雇用の先行指標とされる新規求人倍率の平成28年平均は2.04倍と0.24ポイント上昇し、平成3年(2.05倍)以来の高水準となった。
同時に発表された平成28年12月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の1.43倍だった。市場予想を上回り、平成3年7月以来25年5カ月ぶりの高水準だった。
新規求人倍率は2.18倍と前の月に比べて0.07ポイント上昇し、月間ベースでは平成3年2月以来25年10カ月ぶりの高水準だった。
正社員の有効求人倍率は0.92倍となり、前月から0.02ポイント上昇し集計開始以来の最高水準となった。就業地別の有効求人倍率は9か月連続で全都道府県で1倍を上回った。
平成28年の有効求人倍率は1.36倍と7年連続で上昇し、1991年以来の高水準を記録した。企業の求人増加に対し、有効求職者が減少しているためである。新規求人倍率も2.04倍と大幅に上昇し、雇用市場の活発さがうかがえる。特に、平成28年12月の有効求人倍率は1.43倍、新規求人倍率は2.18倍と、いずれも25年ぶりの高水準であった。このような状況下で、人事コンサルティングの役割は極めて重要である。特に、高い求人倍率に対応するための戦略的採用計画の策定が求められる。企業は求人活動の効率化を図り、求職者とのマッチング精度を高めるための施策が必要である。具体的には、デジタルリクルーティングの活用や、雇用ブランドの強化を図ることが挙げられる。また、正社員の有効求人倍率が集計開始以来の最高水準に達していることから、企業は質の高い人材の確保と育成に力を入れるべきである。従業員のスキルアップやキャリアパスの明確化を通じて、企業の競争力を強化する施策を提案することが、人事コンサルタントの使命である。
(2017年1月31日発表)
11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.41倍となり、3か月連続の上昇となった。
来年に向けて企業が人材確保に乗り出し求人数が増えている。11月の有効求人数は前年同月比で5.9%増加した。
業種別では、生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉業で求人増が目立った。雇用の先行指標とされる新規求人倍率は前月と同水準の2.11倍だった。
正社員の有効求人倍率は前の月に比べて0.01ポイント高い0.90倍となり、2004年11月の集計開始以降で最高水準となった。
有効求人倍率の上昇と来年に向けた人材確保の動きは、企業が市場の回復に対して前向きな姿勢を示していることを表している。特に生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉業での求人増が顕著である。この状況を受けて、人事コンサルタントは、企業が求人市場での競争力を保ち、適切な人材を確保するための戦略的な人事コンサルティングを提供することが重要である。
(2016年12月27日発表)
10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02ポイント上昇の1.40倍だった。上昇は2か月連続で1991年8月(1.40倍)以来25年2カ月ぶりの高水準となった。
企業の求人が伸びる半面、求職者数が減少した。
業種別では、教育・学習支援事業や訪日外国人の恩恵を受ける宿泊業・飲食サービス業で求人が伸びた。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の2.11倍となり、1991年4月(2.12倍)以来25年6か月ぶりの高水準だった。
正社員の有効求人倍率は0.89倍となり、前月から0.01ポイント上昇した。
就業地別の有効求人倍率は7か月連続で全都道府県において1倍を上回った。
有効求人倍率の上昇と新規求人倍率の高水準は、労働市場が活性化していることを示しており、特に教育・学習支援事業や宿泊業・飲食サービス業での求人増加は、業界における明確な回復を示している。このような市場環境では、人事コンサルタントは企業が適切な人材を確保するための効果的な採用戦略を提案することが重要である。正社員の有効求人倍率がまだ1倍に達していないことから、正社員の雇用に向けた戦略的な人事コンサルティングも必要である。
(2016年11月29日発表)
9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べて0.01ポイント上昇の1.38倍だった。上昇は6月以来となり、1991年8月(1.40倍)以来25年1カ月ぶりの高水準となった。
産業別では、訪日外国人の恩恵を受ける宿泊・飲食サービス業の求人が伸びが目立った。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は前月から0.07ポイント上昇して2.09倍となり、5月(2.09倍)以来の高水準となった。
正社員の有効求人倍率は0.88倍と前の月と同じだった。
就業地別の有効求人倍率は6カ月連続で全都道府県1倍を上回った。
平成28年9月の有効求人倍率は25年ぶりの高水準に達し、新規求人倍率も5月以来の高水準となった。訪日外国人の増加が宿泊・飲食サービス業の求人増加を促しており、全都道府県で有効求人倍率が1倍を超えている。人事コンサルタントの視点では、企業が優秀な人材を確保するために、業界の特性を踏まえた採用戦略の最適化と、柔軟な職場環境の整備が求められる。
(2016年10月30日発表)
8月の有効求人倍率(季節調整値)は前の月から横ばいの1.37倍だった。
企業の求人が小幅に減少する一方で、求職者数は増加した。教育・学習支援業や訪日外国人の恩恵を受ける宿泊・飲食サービス業の求人は引き続き伸びた。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は前月に比べて0.01ポイント上昇の2.02倍だった。
正社員の有効求人倍率は0.88倍と前月と同水準だった。
就業地別の有効求人倍率は5カ月連続で全都道府県で1倍を上回った。
8月の有効求人倍率が1.37倍で横ばいとなったのは、企業の求人が小幅に減少しながらも、求職者数が増加した結果である。特に、教育・学習支援業と宿泊・飲食サービス業の求人が引き続き好調であり、訪日外国人の増加や教育需要の高まりが背景にあると考えられる。新規求人倍率が2.02倍と上昇し、全都道府県で1倍を超えていることからも、全国的な人材需要の強さがうかがえる。人事コンサルタントは、このような業種別の動向を踏まえ、企業が戦略的な人材確保と配置を行うための人事コンサルティングを提供し、労働市場の変化への対応を促す必要がある。
(2016年9月30日発表)
7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.37倍だった。前月に続いて1991年8月の1.40倍以来の高水準となった。
企業の求人が伸びる一方で求職者数も増えた。産業別では、訪日外国人の恩恵を受ける宿泊・飲食サービス業や教育・学習支援事業などの求人が伸びた。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は前月に比べて横ばいの2.01倍だった。
正社員の有効求人倍率も0.88倍と前月と同水準だった。
就業地別の有効求人倍率は4カ月連続となり、全都道府県で1倍を上回った。
有効求人倍率が1.37倍で高水準を維持していることは、企業の積極的な採用意欲を示している。一方で求職者数も増加しており、労働市場が活発に動いていることがうかがえる。人事コンサルタントとして、企業が優れた人材を確保するためには、求人の魅力を高める戦略と、求職者のニーズを的確に捉えるアプローチが必要である。
(2016年8月30日発表)
6月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月と比べて0.01ポイント上昇の1.37倍だった。上昇は4カ月連続で、1991年8月以来24年10カ月ぶりの高水準となった。
地域別では1963年の集計開始以来、初めて全ての都道府県で1倍を超えた。幅広い業種で人手不足が続いている。
仕事の数を表す有効求人数(同)が前月比で0.4%増加し、有効求人倍率を押し上げた。訪日客が増え、宿泊・飲食サービス業などで求人数の増加が目立った。厚生労働省は「雇用情勢は着実に改善が進んでいる」としている。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は0.08ポイント低下の2.01倍だった。
正社員の有効求人倍率は0.88倍となり、2004年11月の調査開始以来で過去最高となった。
地域別で見ると、これまで沖縄が一貫して1倍を下回っていたが、宿泊・飲食サービス業や生活関連サービス業などで求人数が増え、初めて1倍を上回った。
有効求人倍率の僅かな上昇と新規求人の全体的な増加は、労働市場の活性化を示している。このような市場環境において、人事コンサルタントは経営戦略において重要な役割を果たしている。特に、宿泊業や飲食サービス業などの顕著な求人増加は、これらの業界に特有の人材ニーズと市場の回復を反映している。人事コンサルティングを通じて、企業はこうした機会を最大限に活用し、適切な人材を確保するための緻密な戦略を策定する必要がある。
(2016年7月29日発表)
5月の有効求人倍率(季節調整値)は0.02ポイント上昇の1.36倍だった。有効求人倍率は3カ月連続で上昇して、1991年10月(1.36倍)以来、24年7カ月ぶりの高水準になった。企業の求人数が引き続き伸びる一方で、求職者数が減少したことで求人倍率が上昇した。
教育・学習支援業や訪日外国人の恩恵を受ける宿泊・飲食サービス業での求人が2割強伸びた。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は0.03ポイント上昇の2.09倍だった。正社員の有効求人倍率は0.02ポイント上昇の0.87倍となり、前月に続き2004年11月の調査開始以来で過去最高になった。
都道府県別の有効求人倍率は東京都が2.03倍となり、1974年6月以来の高水準。就業地別の有効求人倍率は、2カ月連続で全都道府県において1倍を上回った。
有効求人倍率は1.36倍と24年7カ月ぶりの高水準を記録し、企業の求人数が増加する一方、求職者数が減少したことが背景にある。特に教育・学習支援業や宿泊・飲食サービス業での求人が顕著に伸びたことが、観光需要の高まりを反映している。正社員の有効求人倍率も過去最高を更新し、人材の確保が難しい状況が続いている。人事コンサルタントには、こうした需要に対応するための効果的な採用戦略や、求職者のスキルアップ支援を含むコンサルティング提供の重要性がますます高まっている。
(2016年7月1日発表)
4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.04ポイント上昇の1.34倍となった。市場予想(1.30倍)を上回り、1991年11月(1.34倍)以来、24年5カ月ぶりの高水準となった。
企業の求人数が増える一方、求職者数が減ったことが求人倍率を押し上げた。訪日外国人客の恩恵を受ける宿泊・飲食サービス業や卸売業・小売業などの分野で堅調な求人が続いた。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は0.16ポイント上昇の2.06倍だった。
正社員の有効求人倍率は0.03ポイント上昇の0.85倍となり、04年11月の調査開始以来で過去最高となった。
都道府県別の有効求人倍率は東京都が0.07ポイント上昇の2.02倍となり、1974年6月以来の高水準となった。就業地別の有効求人倍率は2005年2月の統計開始以来、初めて全都道府県で1倍を上回った。
4月の有効求人倍率は記録的な高水準となったが、職業別の職業紹介状況を見ると、サービスの職業では有効求人倍率が2.67倍となっているのに対し、事務的職業では0.36倍となっており、雇用のミスマッチが目につく。雇用のミスマッチの改善が急がれる。人事コンサルタントの視点からは労働者のリスキリングを推進する政策が必要だと考えている。
(2016年5月31日発表)
3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02ポイント上昇して1.30倍となった。1991年12月(1.31倍)以来、約24年ぶりの高水準となった。
企業の求人数は0.4%減少したものの、求職者数の減少幅(1.7%)が貢献し、求人倍率の上昇につながった。分野別では訪日外国人客の増加を受け、宿泊・飲食サービス業や卸売業・小売業などで堅調な求人が続いた。
新規求人倍率は0.02ポイント低下して1.90倍となり、2カ月連続で低下した。正社員の有効求人倍率は0.01ポイント上昇の0.82倍となり、2004年11月の調査開始以来の最高水準となった。
3月の有効求人倍率は1.30倍と、1991年12月以来の高水準を記録した。これは求職者数の減少が主因である。特に訪日外国人客の増加に伴い、宿泊・飲食サービス業や卸売業・小売業で堅調な求人が続いた。新規求人倍率は2か月連続で低下しているが、全体としては求人市場の活発さが窺える。正社員の有効求人倍率も0.82倍と過去最高水準を記録したことから、企業にとっては正社員確保の重要性が増している。このような状況を踏まえ、人事コンサルタントとして提案すべきは、企業の採用活動の効率化と従業員定着率の向上である。特に、宿泊・飲食サービス業や卸売業・小売業では、労働環境の改善やキャリアパスの明確化が求められる。また、訪日外国人客の増加に対応するため、多言語対応能力や異文化理解を持つ人材の育成も重要である。
(2016年4月28日発表)
2月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.28倍だった。1991年12月(1.31倍)以来、ほぼ24年ぶりの高水準だった1月と同水準を保った。
月間の求人数は1.3%増、求職者数は1.2%増でともに拡大した。厚労省は雇用情勢について「着実に改善が進んでいる」との見方を維持した。
一方、雇用の先行指標とされる新規求人倍率は0.15ポイント低下の1.92倍となった。正社員の有効求人倍率は0.01ポイント上昇の0.81倍に改善した。
2月の有効求人倍率は1.28倍と前月から横ばいを維持し、約24年ぶりの高水準を保っている。求人数と求職者数がともに増加しており、厚生労働省も「着実に改善が進んでいる」との見解を示している。また、正社員の有効求人倍率がわずかに上昇しており、正社員採用の競争が続いていることがうかがえる。人事コンサルタントとしては、企業が引き続き人材を確保するために、採用プロセスの効率化や魅力的な労働条件の整備が重要である。また、特に正社員の採用が困難になっている現状を踏まえ、労働者のキャリア開発支援や、雇用の安定性を高めるための長期的な人材戦略が必要となる。
(2016年3月29日発表)
1月の有効求人倍率は前月比0.01ポイント上昇の1.28倍だった。1991年12月(1.31倍)以来、約24年ぶりの高水準となった。
派遣労働者を中心とする職業紹介・労働者派遣業からの新規求人が減った。訪日外国人客の増加で宿泊・飲食サービスなどの求人は堅調で、高齢化に伴う医療・福祉分野の求人も増えた。求人全体では1.6%減だった。
一方、求職者は2.1%減少した。厚労省は雇用情勢について「着実に改善が進んでいる」との見方を示した。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は0.17ポイント上昇の2.07倍となり、1991年6月以来24年ぶりの高水準となった。正社員の有効求人倍率は前月と同じ0.80倍となり、2004年11月の調査開始以来の最高水準を維持した。
人事コンサルタントとしては、特に成長が見込まれる宿泊・飲食サービス業や医療・福祉分野における人材戦略の強化が重要である。これらの業界においては、労働条件の改善やスキルアップの機会を提供し、長期的なキャリア形成を支援することで、人材の定着を図る必要がある。また、派遣労働者を中心とする業界での求人減少に対応するため、企業には柔軟な雇用形態の導入やリスキリングの支援を提案し、労働市場の変動に適応するための戦略的アプローチが求められる。また、正社員採用が依然として厳しい競争環境にあることから、企業には採用プロセスの見直しや、労働者にとって魅力的な職場環境の整備を促進することが重要である。
(2016年3月1日発表)
2015年12月の有効求人倍率は前月比0.02ポイント上昇の1.27倍となり、1991年12月の1.31倍以来24年ぶりの高い水準となった。求職者の増加以上に求人が増加した。
厚生労働省は「高齢化により、医療・福祉分野での求人が増え続けているほか、訪日外国人客の増加で宿泊・飲食サービス業でも求人が増えている」とみている。
雇用の先行指標となる新規求人倍率は2015年12月に0.02ポイント低下の1.91倍となり、2カ月ぶりに低下した。正社員有効求人倍率は0.80倍となり、前月比0.01ポイント上昇して、調査を開始した2004年11月以来で最高を更新した。
同時に発表された2015年平均の有効求人倍率は1.20倍だった。上昇は6年連続となり、24年ぶりの高水準となった。有効求人数は4.3%増加したが、有効求職者数は5.4%減少した。
医療・福祉、宿泊・飲食サービスが牽引する形で有効求人倍率が上昇した。同時に正社員の有効求人倍率も調査開始以来の最高を記録するなど明るい兆候が見られた。今後は中国経済、米国経済の減速が日本経済にどのように影響するのかが注目される。
(2016年1月29日発表)
11月の有効求人倍率は前月比0.01ポイント上昇の1.25倍となり、1992年1月以来23年10カ月ぶりの高水準だった。厚生労働省は「景気の回復傾向に伴って、求人の増加が続いている」としている。
雇用の先行指標となる新規求人倍率は0.10ポイント上昇の1.93倍となり、大幅に改善して1991年11月(1.94倍)以来24年ぶりの高水準となった。前年同月と比べた新規求人数(原数値)が9.3%と大幅に増加した。
業種別では医療・福祉業が9.9%増、卸売・小売業が11.5%増、宿泊・飲食サービス業が19.6%増、製造業が9.7%増など、主要業種で求人が増加した。
正社員の有効求人倍率は0.79倍となり、前月比0.02ポイント改善し、調査を開始した2004年11月以来で最高を更新した。
高齢化に伴って医療関係の求人も引き続き増加しているほか、訪日外国人客の急増などを背景に小売業や宿泊業でも求人が増加して、有効求人倍率を引き上げた。正社員の有効求人倍率が調査開始以来、最高水準となったのは明るい兆しだ。
(2015年12月25日発表)
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