米労働省から毎月発表される米国の求人・採用・解雇など雇用全般に関する調査結果に人事コンサルタントの視点からコメントを付けて掲載しています。
2019年12月の求人件数(季節調整済み)は642万3000件となり、前月から36万4000件減少して2017年12月以来の低水準となった。
求人率は4.0%となり、前月の4.3%から低下して2年ぶりの低水準となった。11月は57万4000件減となり、2015年8月以来の大幅減となった。2019年全体では求人件数は14.9%減少した。
12月は民間部門の求人件数が33万2000件減少し、求人件数減少の大半を占めた。輸送、倉庫、公益事業は8万8000件の減少、不動産、賃貸、リース業は3万4000件の減少だった。教育サービスも3万4000件減少した。
レイオフ・解雇件数は増加し、このところの雇用増の加速にブレーキがかかった可能性が示された。求人件数はなお比較的高水準にあるものの、2019年終盤の急速な減少は11年目に入っている米国の経済拡張期の終焉を示すものである可能性がある。景気の節目にあたり、人事コンサルティング会社、人事コンサルタントが提供する顧客の人事戦略、採用戦略の転換等についての助言は重要だ。
(2020年2月12日発表)
2019年11月の非農業部門の求人数(季節調整済み)は前月から56万1000件減少して680万件となり、2018年2月以来1年9か月ぶりの低水準となった。
求人率は前月から0.3ポイント低下して4.3%だった。
小売業と建設業で減少が目立ったほか、製造業、金融業も減少した。
採用数は3万9000件増加して582万1000件となり、採用率は横ばいの3.8%だった。
労働者の雇用市場への自信を示す自発的離職率は2.3%で横ばいだった。
11月は求人件数が減少し、求人数は1年9か月ぶりの低水準となった。小売業、建設業、製造業、金融業での減少が顕著であり、経済環境が慎重な採用戦略を企業に強いている。人事コンサルティングの観点では、需要変動に備えた柔軟な人材配置とリスキリング戦略の導入が重要だ。
(2020年1月17日発表)
10月の求人件数(季節調整済み)は726万7000件となり、前月から23万5000件増加した。求人率も4.6%となり、前月の4.4%から上昇した。
業種別では、小売業で12万5000件増加し、全体が押し上げられた。このほか金融・保険業で5万6000件、耐久財製造業で5万件、それぞれ増加した。
10月の採用件数が576万4000件となり、前月から18万7000件減少した。採用率も3.8%となり、前月の3.9%から低下した。
10月の米国求人件数は前月から大幅に増加し、特に小売業の寄与が大きかった。この動向は、人事コンサルタントにとって、特定業種における採用活動の活性化と、季節要因を踏まえた人材戦略の必要性を示している。人事コンサルティングは、求人増加に伴い採用率が低下している状況に対して、採用効率を改善し、適切な人材を確保するための戦略的アプローチを企業に提案することが求められる。
(2019年12月17日発表)
9月の求人件数(季節調整済み)は702万4000件となり、前月の730万1000件から減少した。求人率も4.4%となり、前月の4.6%から低下した。
自発的な離職件数は349万8000件となり、前月の360万1000件から減少した。自発的な離職率は2.3%となり、前月の2.4%から低下した。
レイオフ・解雇件数は196万4000件となり、181万2000件から増加した。レイオフ・解雇率は1.3%となり、1.2%から上昇した。
上記データは、企業が直面している人材流動の課題を浮き彫りにしており、戦略的な人事コンサルティングが求められている。人事コンサルタントは、労働市場の動向を理解し、企業が適切に人材を確保し、維持し、必要に応じて調整するための具体的な提案を行う重要な役割を担っている。
(2019年11月5日発表)
8月の求人件数(季節調整済み)は12万3000件減の705万1000件となり、2018年3月以来の低水準となった。求人率も4.4%となり、前月の4.5%から低下した。
求人件数は2018年終盤に760万件とピークを付けたが、その後は減少傾向にあり、8月は3か月連続の減少となった。
8月は製造業の減少が顕著で、非耐久財部門で4万9000人減となった。情報関連業も4万7000人減少した。
自発的な離職件数は352万6000件となり、前月の366万8000件から減少した。自発的な離職率は2.3%となり、前月の2.4%から低下した。
レイオフ件数は178万7000件となり、前月からほぼ横ばい。レイオフ率も横ばいだった。
このような状況下、人事コンサルタントとしては、企業が労働市場の変動に対応するための戦略的な人材管理が求められる。人事コンサルティングの視点から、特に求人減少が続く業界に対して、労働力の再配置とスキルアップの推進を提案する必要がある。企業は競争力のある賃金と働きやすい環境を提供し、優秀な人材を引き留める策を講じるべきである。
(2019年10月9日発表)
7月の米国の求人件数は前月から3万1000件減少して722万件となり、5か月ぶりの低水準となった。
一方、離職率は2.4%に上昇し、2001年4月以来の高水準となり、労働者が職探しに引き続き自信を持っていることを示した。
業界別に見ると、求人件数は鉱業と製造業で過去最高に上昇した。一方で、専門職とビジネスサービスはこの1年で最低となった。
人事コンサルタントとして、業界ごとの求人動向を詳細に分析し、特に専門職やビジネスサービス分野での採用戦略を再検討する必要がある。また、労働者の離職率が高まる中、企業は効果的な人材定着施策を強化し、職場環境の改善やキャリアパスの明確化を進めることが重要である。人事コンサルティングの観点からは、各業界の特性に応じた柔軟かつ持続可能な人材戦略の構築が求められる。
(2019年9月10日発表)
6月の米求人件数は735万件となり、前月の738万件からほぼ変わらず、高水準を維持した。
離職率は2.3%となり、2018年6月から同率で推移しており、過去10年で最も高い水準を維持している。
新たに雇用された労働者は570万人に減少した。自発的離職者と解雇者の合計であるセパレーションも減少して548万人となった。
州および地方政府の求人は過去最高の61万3000件となった。連邦政府はほぼ変わらずの10万5000件だった。
専門職やビジネスサービス、運輸などの求人が増えた一方で、建設やレジャー業界の求人は減少した。
人事コンサルティングの観点から、このようなデータは企業にとって、市場の需給バランスを理解し適切な人材戦略を立てる上で極めて重要となる。自発的離職率が過去10年で最も高い水準を維持していることは、労働者が自信を持って職を変える環境があることを示しており、人事コンサルタントは企業が才能を引きつけ、維持するために効果的な方法を提案する必要がある。
(2019年8月6日発表)
5月の非農業部門の求人数(季節調整済み)は732万3000件となり、前月から4万9000件減少し、2か月連続の減少となった。
求人率も4.6%で前月から0.1ポイント低下した。
求人数は求職中の失業者数を140万人以上も上回っており、労働市場の逼迫が続いていることを示している。
一方、労働者の雇用市場への自信を示す自発的離職者数は342万5000人となり、自発的離職率は2.3%で12か月連続の横ばいとなった。解雇者数は176万人となり、解雇率も1.2%で横ばいだった。
こうした状況を踏まえ、人事コンサルティングにおいては、企業に対して次の戦略を提案すべきである。まず、求人率の高止まりと採用難の現状に対応するため、採用プロセスの最適化とリクルーティング戦略の見直しが必要である。また、自発的離職率が高いことを考慮し、従業員エンゲージメントとリテンション対策を強化する施策が求められる。特に、キャリアパスの明確化や柔軟な働き方の導入などが有効である。
(2019年7月9日発表)
4月の非農業部門の求人数(季節調整済み、速報値)は744万9000件となり、前月から2万5000件減少した。
求人率は4.7%となり、前月から横ばいだった。
一方、採用数は前月から24万件増加して593万7000件となった。採用率は3.9%で0.1ポイント上昇した。
労働者の雇用市場への自信を示す自発的離職者数は348万2000人となり、前月から2万1000人増加した。
解雇者数は175万2000人となり、5万9000人増加した。
人事コンサルタントとして、企業にはこのような動向を踏まえ、効果的な人材確保と離職防止策の強化を提案する必要がある。特に、採用プロセスの最適化と、従業員の満足度向上を図るための取り組みが重要である。また、解雇の増加に対しては、従業員の再配置や再教育プログラムを導入し、企業全体の柔軟性を高めることが求められる。さらに、人事コンサルティングのテーマとして、従業員エンゲージメントの強化やキャリア開発支援の充実を通じて、長期的な組織の安定と成長を実現することが重要である。
(2019年6月10日発表)
3月の非農業部門の求人数(季節調整済み)は、前月から34万6000件増加して748万8000件となり、急減した前月から回復した。
求人率は4.7%となり、前月から0.2ポイント上昇した。
採用数は566万件となり、前月から3万5000件減少したが、採用率は前月から横ばいの3.8%だった。
労働者の雇用市場への自信を示す自発的離職者数も340万9000人となり、前月から3万8000人減少したが、自発的離職率は前月から横ばいの2.3%だった。
一方、解雇者数は170万人となり、前月から8万4000人減少し、解雇率は前月から0.1ポイント低下した。
3月の米国雇用市場は、求人数が大幅に増加し、前月の急減からの回復を示した。一方で、採用数と自発的離職者数はわずかに減少し、労働市場の勢いがやや鈍化した兆候も見受けられる。人事コンサルタントとしては、企業に対して採用活動の効率化と、従業員のエンゲージメント強化を重点的に提案すべきである。求人数が増加している中で、適切な人材を確保するためには、迅速で戦略的な採用プロセスが不可欠である。また、自発的離職率が横ばいで推移していることを踏まえ、従業員満足度の向上を図り、優秀な人材の流出を防ぐための対策が求められる。
(2019年5月7日発表)
2月の非農業部門の求人数(季節調整済み)は、前月から53万8000件減少して708万7000件となり、2018年3月以来11か月ぶりの低水準となった。
求人率は4.5%で前月から0.3ポイント低下した。求人数の減少が目立ったのは、宿泊・飲食サービス業(10万3000件減)、不動産業(7万2000件減)、建設業(2万7000件減)などで、悪天候や政府閉鎖による消費の一時的落ち込みの影響を受けやすい産業が多かった。
2月は採用数も569万6000件となり前月から13万3000件減少した。採用率は3.8%となり前月から0.1ポイント低下した。
自発的離職者数は348万人、自発的離職率も2.3%となり前月からほぼ変わらなかった。
一方、解雇者数は4万7000人増加して174万2000人となり、解雇率は0.1ポイント上昇して1.2%だった。
2月の米国雇用市場は、求人数が大幅に減少し、特に宿泊・飲食サービス業や不動産業、建設業が顕著であった。これは、悪天候や政府閉鎖による一時的な消費低迷が影響したと考えられる。また、採用数も減少し、雇用市場全体が一時的に停滞した兆しが見受けられる。人事コンサルタントとしては、こうした経済環境下での採用活動の見直しが求められる。特に、景気の変動に敏感な業種では、労働力の柔軟な配置や短期的な契約社員の活用を提案するべきである。また、解雇率の上昇が示すように、組織再編や効率化が進む中で、従業員のキャリア支援やリスキリングの強化が重要となる。
(2019年4月9日発表)
1月の非農業部門の求人数(季節調整済み)は、前月から10万2000件増の758万1000件となり、史上3番目に高い水準となった。
求人率は4.8%で前月から0.1ポイント上昇した。
採用数は、前月から8万4000件増の580万1000件となり、採用率は3.9%で前月から0.1ポイント上昇した。
自発的離職者数は前月から9万9000人増加して349万人となった。自発的離職率は2.3%で、7か月連続で横ばいとなった。一方、解雇者数は2万8000人減の172万3000人となり、解雇率は1.1%となり0.1ポイント低下した。
1月の失業者数は653万5000人となり、求人数が失業者を100万件以上上回っていて、依然として労働市場が逼迫した状態が続いていることを示した。労働市場が逼迫した中で顧客が採用に関して所期の目的を達成できるよう支援する人事コンサルティング会社の役割は重要となる。
(2019年3月15日発表)
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