2026年 毎月勤労統計

2026年の毎月勤労統計調査の結果(速報値)を1ページに集約。最新月の動向と、人事戦略や人事制度などに与える示唆を専門家視点で解説します。
最終更新日:2026-8-13

2026年6月分:実質賃金は前年同月比で1.6%増

概要

6月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.6%増加した。プラスは6か月連続となり、賃上げに加えて夏の賞与が伸びた。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は53万1677円となり、3.4%増加した。5か月連続で3%以上となるのは1992年3月以来、34年3か月ぶりとなる。

基本給に当たる所定内給与が27万9189円へ3.4%伸び、名目賃金を押し上げた。2026年の春季労使交渉による賃上げや25年の最低賃金の引き上げを反映している。賞与などの「特別に支払われた給与」も23万2445円となり、3.5%増加した。好調な企業業績が寄与した。

6月の消費者物価指数は前年同月から1.9%上がった。上げ幅は5月の1.7%から拡大した。

総実労働時間は139.2時間となり、0.3%減少した。就業形態別では一般労働者が横ばいの166.3時間、パートタイム労働者が1.3%減の79.8時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金の持続的な改善と賞与の伸長は、春闘による賃上げと企業業績の好調が家計所得へ波及する好循環を示す一方、物価上昇の再加速には留意が必要である。

人事コンサルタントとしては、賃上げを恒常的な人件費増に終わらせず、職務価値・スキル・成果を適切に反映する評価制度と報酬制度の再設計を提案すべきである。人事コンサルティングのテーマとして、賞与を含む総報酬戦略と人事制度を生産性向上や人的資本投資と連動させ、従業員の納得感と企業の賃金負担力を両立する仕組みの構築が重要である。

(2026年8月5日発表)

2026年5月分:実質賃金は前年同月比で1.4%増

概要

5月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.4%増加した。プラスは5か月連続となる。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は31万1165円となり、3.2%増加した。4か月連続で3%以上となるのは1992年3月以来、34年2か月ぶりとなる。基本給に当たる所定内給与が27万5942円となり、3.0%伸び、名目賃金を押し上げた。

実質賃金の計算に使う5月の消費者物価指数は前年同月から1.7%上昇した。上げ幅は4月の確定値1.5%から拡大した。エネルギー価格が2.5%下がり、4月の3.9%低下から下げ幅が縮んだ。政府の電気・ガス代補助が4月検針分で終わった影響が出た。一方でコメ類が在庫の増加で22年11月以来、3年6か月ぶりにマイナスとなり、物価全体の伸びの拡大を一定幅に抑えた。

総実労働時間は129.4時間となり、3.8%減少した。就業形態別では一般労働者が3.7%減の152.8時間、パートタイム労働者が3.2%減の77.6時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金は5か月連続でプラスを維持したものの、物価上昇率の再拡大や労働時間の減少を踏まえると、賃上げ効果の持続性にはなお注意を要する。

人事コンサルタントとしては、基本給の引上げに加え、職務価値や成果を反映した評価制度・報酬制度の整備を企業に提案すべきである。人事コンサルティングのテーマとしては、人的資本投資、リスキリング、生産性向上を連動させた人事制度改革を推進し、持続的な賃金上昇と企業競争力の強化を両立できる仕組みを構築することが求められる。

(2026年7月7日発表)

2026年4月分:実質賃金は前年同月比で1.9%増

概要

4月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.9%増加した。プラスは4か月連続となる。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は31万2425円と3.5%増加した。3か月連続で3%以上となるのは1992年3月以来、34年1か月ぶりとなる。

基本給に当たる所定内給与が27万7916円となり、3.4%伸び、名目賃金を押し上げた。2025年の春季労使交渉による賃上げの波及や最低賃金の引き上げを反映した。

実質賃金の計算に使う4月の消費者物価指数の上昇率は1.5%だった。伸び幅は3月の1.6%から鈍化し、4か月連続で2%を下回った。エネルギー価格が前年同月から3.9%下がった影響が大きい。政府のガソリン代補助や旧暫定税率の廃止でガソリンは9.7%低下した。また、政府が26年度から私立を含む高校の就学支援金の所得制限を撤廃し、支給上限額を引き上げたことも影響し、教育も6.1%低下した。

総実労働時間は139.9時間となり、0.3%増加した。就業形態別では一般労働者が1.0%増の167.8時間、パートタイム労働者が2.1%減の79.2時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金のプラス継続は、賃上げが家計に届き始めたことを示す一方、政策要因による物価抑制に支えられた面も大きく、持続性には注意が必要である。

人事コンサルタントとしては、一律的な賃上げから脱却し、職務価値・成果・スキルを反映した評価制度と報酬制度の高度化を提案すべきである。人事コンサルティングのテーマとしては、人的資本投資と生産性向上を連動させる人事制度改革、リスキリング推進、キャリア形成支援の強化が重要であり、賃金上昇を企業価値向上へ結び付ける仕組みづくりが求められる。

(2026年6月5日発表)

2026年3月分:実質賃金は前年同月比で1.0%増

概要

3月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.0%増加した。プラスは3か月連続となるが、名目賃金の伸びが鈍化した影響で伸び率は前月の2.0%を下回った。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は31万7254円と2.7%増加した。基本給に当たる所定内給与が27万1313円と3.2%増加した。3%以上の伸び率が3か月続くのは1992年10月以来となる。2025年の春季労使交渉による賃上げや最低賃金の引き上げが広がっている。特別に支払われた給与は1.5%減少した。

3月の消費者物価指数の上昇率は1.6%だった。エネルギー価格が前年同月比5.7%下がり、指数を押し下げた。25年末にガソリン税の旧暫定税率が廃止され、26年1月には電気・ガス代の補助も再開されるなど政府の政策が物価を抑え込んでいる。

総実労働時間は132.7時間となり横ばいだった。就業形態別では一般労働者が0.8%増の158.9時間、パートタイム労働者が2%減の76.9時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金は政策的な物価抑制に支えられつつも、名目賃金の伸び鈍化は、企業の賃上げ余力に限界が見え始めている可能性を示唆している。

人事コンサルタントとしては、一律昇給への依存から脱し、職務・役割・成果に基づく等級制度、評価制度、報酬レンジの再設計を支援すべきである。人事コンサルティングのテーマとしては、生産性指標を評価制度に組み込み、最低賃金上昇を吸収しながら持続的な賃上げを可能にする人材ポートフォリオ改革が要諦である。

(2026年5月8日発表)

2026年2月分:実質賃金は前年同月比で1.9%増

概要

2月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.9%増加した。プラスは2か月連続となる。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は29万8341円となり、3.3%増加した。基本給に当たる所定内給与が26万9154円となり、3.3%増加し、33年8か月ぶりの高い伸びとなった。

実質賃金の計算に使う2月の消費者物価指数の上昇率は1.4%となり、1月の1.7%から伸び率が縮小した。エネルギー価格の低下が全体を押し下げた。2月は9.1%下がり、1月のマイナス5.2%から下げ幅が拡大した。25年末のガソリン税の旧暫定税率廃止や26年1月に再開した電気・ガス代の補助などが影響した。

総実労働時間は129.6時間となり、0.9%減少した。就業形態別では一般労働者が0.3%減の155.2時間、パートタイム労働者が2.6%減の74.8時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金の改善は前向き材料であるが、中東情勢の緊迫化などに伴うエネルギー価格の再上昇懸念を踏まえれば、企業は一時的な賃上げにとどまらず、持続可能な処遇改革を急ぐべきである。

人事コンサルタントとしては、職務価値と成果を反映する評価制度・報酬制度を中心とした人事制度の再設計を提案したい。人事コンサルティングのテーマとしては、生産性向上と連動した賃金原資創出の仕組みづくりに加え、「第3の賃上げ」として注目される住宅手当や食事補助など、福利厚生を通じて従業員の実質的な手取りを高める施策の整備が重要となる。

(2026年4月8日発表)

2026年1月分:実質賃金は前年同月比で1.4%増

概要

1月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.4%増加し、13カ月ぶりにプラスとなった。ガソリン減税などで物価の伸びが鈍り、賃上げ効果が上回った。

名目賃金を示す1人あたりの現金給与総額は30万1314円と3.0%増加した。基本給にあたる所定内給与は26万9198円で3.0%増加し、33年3カ月ぶりの高い伸びとなった。2025年の春季労使交渉の高水準の賃上げが波及したほか、最低賃金の上昇も底上げにつながったとみられる。

総実労働時間は128.3時間と0.1%減少した。就業形態別では一般労働者が0.3%増加の152.5時間、パートタイム労働者が1.0%減少して76.1時間だった。

消費者物価は2025年末にガソリン税の旧暫定税率が廃止され、エネルギー価格が下がった。食料品も1月はコメ類の上昇率が27.9%となり、一時90%を超えた前年から一服した。一方で原材料価格などの上昇によりコーヒー豆は51.0%、チョコレートは25.8%上がった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金が13カ月ぶりにプラスへ転じたことは、賃上げ政策の効果が徐々に浸透し始めている兆候である。一方で、資源価格をめぐる地政学リスクなど不確実性も残る中、企業には持続的な賃上げを支える生産性向上が不可欠である。

人事コンサルタントとしては、特に中小企業に対して、持続可能な賃上げの仕組みづくりや、役割・成果責任に連動したグレード(等級)制度・評価制度の高度化を提案すべきである。また、人事コンサルティングの重要テーマとして、環境変化に柔軟に対応できる成長志向の人事制度改革を進め、賃金上昇と付加価値創出の好循環を実現する組織基盤の構築が求められる。

(2026年3月9日発表)

モアコンサルティンググループでは、破壊的変化の中で成長を志向する企業に向けて、未来志向の人事コンサルティングを提案しています。ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。