2026年 毎月勤労統計

2026年の毎月勤労統計調査の結果(速報値)を1ページに集約。最新月の動向と、人事戦略や人事制度などに与える示唆を専門家視点で解説します。
最終更新日:2026-5-12

2026年3月分:実質賃金は前年同月比で1.0%増

概要

3月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.0%増加した。プラスは3か月連続となるが、名目賃金の伸びが鈍化した影響で伸び率は前月の2.0%を下回った。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は31万7254円と2.7%増加した。基本給に当たる所定内給与が27万1313円と3.2%増加した。3%以上の伸び率が3か月続くのは1992年10月以来となる。2025年の春季労使交渉による賃上げや最低賃金の引き上げが広がっている。特別に支払われた給与は1.5%減少した。

3月の消費者物価指数の上昇率は1.6%だった。エネルギー価格が前年同月比5.7%下がり、指数を押し下げた。25年末にガソリン税の旧暫定税率が廃止され、26年1月には電気・ガス代の補助も再開されるなど政府の政策が物価を抑え込んでいる。

総実労働時間は132.7時間となり横ばいだった。就業形態別では一般労働者が0.8%増の158.9時間、パートタイム労働者が2%減の76.9時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金は政策的な物価抑制に支えられつつも、名目賃金の伸び鈍化は企業の賃上げ余力に限界が見え始めたことを示している。

人事コンサルタントとしては、職務・役割・成果に基づく等級制度、評価制度、報酬レンジを再設計する人事コンサルティングを提案すべきである。生産性指標を評価に組み込み、賃上げ、最低賃金上昇を吸収する人材ポートフォリオ改革が喫緊の課題となる。

(2026年5月8日発表)

2026年2月分:実質賃金は前年同月比で1.9%増

概要

2月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.9%増加した。プラスは2か月連続となる。

名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は29万8341円となり、3.3%増加した。基本給に当たる所定内給与が26万9154円となり、3.3%増加し、33年8か月ぶりの高い伸びとなった。

実質賃金の計算に使う2月の消費者物価指数の上昇率は1.4%となり、1月の1.7%から伸び率が縮小した。エネルギー価格の低下が全体を押し下げた。2月は9.1%下がり、1月のマイナス5.2%から下げ幅が拡大した。25年末のガソリン税の旧暫定税率廃止や26年1月に再開した電気・ガス代の補助などが影響した。

総実労働時間は129.6時間となり、0.9%減少した。就業形態別では一般労働者が0.3%減の155.2時間、パートタイム労働者が2.6%減の74.8時間だった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金の改善は前向き材料であるが、イラン情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の再上昇懸念を踏まえれば、企業は一時的な賃上げではなく持続可能な処遇改革を急ぐべきである。

人事コンサルタントとしては、職務価値と成果を反映する評価制度、報酬制度などの人事制度の再設計を提案したい。人事コンサルティングのテーマとしては、生産性向上と連動した賃金原資創出の仕組みづくりとともに、第3の賃上げとして注目されている住宅手当や食事補助など、非課税枠を活用して従業員の実質的な手取りを増やす福利厚生の整備が重要となる。

(2026年4月8日発表)

2026年1月分:実質賃金は前年同月比で1.4%増

概要

1月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.4%増加し、13カ月ぶりにプラスとなった。ガソリン減税などで物価の伸びが鈍り、賃上げ効果が上回った。

名目賃金を示す1人あたりの現金給与総額は30万1314円と3.0%増加した。基本給にあたる所定内給与は26万9198円で3.0%増加し、33年3カ月ぶりの高い伸びとなった。2025年の春季労使交渉の高水準の賃上げが波及したほか、最低賃金の上昇も底上げにつながったとみられる。

総実労働時間は128.3時間と0.1%減少した。就業形態別では一般労働者が0.3%増加の152.5時間、パートタイム労働者が1.0%減少して76.1時間だった。

消費者物価は2025年末にガソリン税の旧暫定税率が廃止され、エネルギー価格が下がった。食料品も1月はコメ類の上昇率が27.9%となり、一時90%を超えた前年から一服した。一方で原材料価格などの上昇によりコーヒー豆は51.0%、チョコレートは25.8%上がった。

人事コンサルタントの視点

実質賃金が13カ月ぶりにプラスへ転じたことは、賃上げ政策の効果が徐々に浸透している兆候である。一方で、資源価格の地政学リスクなど不確実性も残る中、企業には持続的な賃上げを支える生産性向上が不可欠である。

人事コンサルタントとしては、特に中小企業に対して持続可能な賃上げの仕組みや、役割や成果責任に連動したグレード、評価制度の高度化を提案すべきだと考える。また、人事コンサルティングの重要テーマとして、環境変化に柔軟に対応可能な成長志向の人事制度改革を進め、賃金と付加価値創出の好循環を実現する組織基盤の構築が求められる局面となっている。

(2026年3月9日発表)

モアコンサルティンググループでは、破壊的変化の中で成長を志向する企業に向けて、未来志向の人事コンサルティングを提案しています。ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。