2026年1月分:実質賃金は前年同月比で1.4%増
概要
1月の物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で1.4%増加し、13カ月ぶりにプラスとなった。ガソリン減税などで物価の伸びが鈍り、賃上げ効果が上回った。
名目賃金を示す1人あたりの現金給与総額は30万1314円と3.0%増加した。基本給にあたる所定内給与は26万9198円で3.0%増加し、33年3カ月ぶりの高い伸びとなった。2025年の春季労使交渉の高水準の賃上げが波及したほか、最低賃金の上昇も底上げにつながったとみられる。
総実労働時間は128.3時間と0.1%減少した。就業形態別では一般労働者が0.3%増加の152.5時間、パートタイム労働者が1.0%減少して76.1時間だった。
消費者物価は2025年末にガソリン税の旧暫定税率が廃止され、エネルギー価格が下がった。食料品も1月はコメ類の上昇率が27.9%となり、一時90%を超えた前年から一服した。一方で原材料価格などの上昇によりコーヒー豆は51.0%、チョコレートは25.8%上がった。
人事コンサルタントの視点
実質賃金が13カ月ぶりにプラスへ転じたことは、賃上げ政策の効果が徐々に浸透している兆候である。一方で、資源価格の地政学リスクなど不確実性も残る中、企業には持続的な賃上げを支える生産性向上が不可欠である。
人事コンサルタントとしては、特に中小企業に対して持続可能な賃上げの仕組みや、役割や成果責任に連動したグレード、評価制度の高度化を提案すべきだと考える。また、人事コンサルティングの重要テーマとして、環境変化に柔軟に対応可能な成長志向の人事制度改革を進め、賃金と付加価値創出の好循環を実現する組織基盤の構築が求められる局面となっている。
(2026年3月9日発表)