2026年 雇用統計

2026年の米雇用統計を1ページに集約。最新月の動向と、人事戦略や労務管理などに与える示唆を専門家視点で解説します。
最終更新日:2026-04-15

2026年3月分:非農業部門雇用者は17万8000人増

概要

3月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比17万8000人の増加となり、市場予想を大幅に上回った。2月は13万3000人減(速報値は9万2000人減)に下方修正された。

3月の失業率は4.3%となり、前月から0.1ポイント低下した。

雇用者数の増加は医療分野が主導した。雇用の増加は幅広い業種にわたっており、採用の広がりを示す指標は約2年ぶりの高水準となった。2月に減少していた建設業や娯楽・ホスピタリティーも増加に転じた。天候要因による反動の可能性がある。製造業は2023年11月以来の大幅増となった。

3月の失業率は4.3%に低下したが、その一因は労働市場から離れる人が見られたことにある。就業者と求職者が人口に占める割合を示す労働参加率は61.9%へ低下し、2021年以来の低水準となった。

平均時給は前月比0.2%上昇。前年同月比では3.5%上昇と、ほぼ5年ぶりの低い伸びとなった。

人事コンサルタントの視点

3月雇用は上振れしたものの、労働参加率低下と賃金伸びの鈍化が示す通り、米労働市場の地合いはなお脆弱である。天候要因の反動を踏まえれば、企業は採用拡大を急ぐより、医療など成長領域への人材再配置と職務再設計を優先すべきである。

人事コンサルティングとしては、リスキリングと定着を後押しするためにキャリアパスを明確化する人事制度再構築や、生産性向上と人的資本の厚みを高める提案が肝要であり、人事コンサルタントの真価が問われる局面となっている。

(2026年4月3日発表)

2026年2月分:非農業部門雇用者は9万2000人減

概要

2月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比9万2000人減少とり、市場予想を大幅に下回った。1月は12万6000人増(速報値は13万人増)に下方修正された。

2月の失業率は4.4%にとなり、前月から0.1ポイント悪化した。

雇用減はほぼ全ての業種に及び、中でも医療部門が最も大きく落ち込んだ。医療部門は1月に大幅に増加した反動もあり、2万8000人⁠減となった。ストライキと悪天候が影響したとみられている。情報産業は1万1000人減、連邦政府は1万人減、運輸・倉庫は1万1000人減少した。

建設業は悪天候が影響し、1万1000人減。レジャー・接客は2万7000人減となった。製造業は1万2000人減となった。製造業の雇用はこのところ減少が続いている。専門・ビジネスサービス部門も減少した。

週平均労働時間は34.3時間となり、1月から横ばいだった。平均時給は37.32ドル(前月比0.4%上昇)となった。前年同月比では3.8%上昇し、伸びは1月の3.7%からわずかに加速した。労働参加率は62.0%となり、1月の62.1%(下方修正)から低下し、2021年12月以来の低水準となった。

人事コンサルタントの視点

2月の非農業部門雇用は市場予想を大幅に下回り、労働市場の減速が鮮明となった。幅広い分野で雇用が減少し、景気敏感部門を中心に調整圧力が強まっている。失業率は4.4%へ上昇し、労働参加率も2021年以来の低水準に低下した。一方、賃金は前年比3.8%増と底堅く、企業が人材確保に慎重ながらも待遇維持を続けている状況がうかがえる。

人事コンサルタントとしては、この局面では人事コンサルティングの重点を「雇用調整期の人材戦略」に置くべきである。具体的には、採用抑制を前提とした職務再設計、スキルの可視化とマルチタスク化による人材再配置、景気循環に耐える人材ポートフォリオの構築が重要となる。また、賃金上昇が続く中で人件費効率を高めるため、報酬制度の見直しや柔軟な勤務制度の導入を提案し、組織の生産性と従業員エンゲージメントの両立を図る戦略が求められる。

(2026年3月6日発表)

2026年1月分:非農業部門雇用者は13万人増

概要

1月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比13万人増となり、市場予想を大幅に上回って約1年ぶりの大幅増となった。昨年12月は4万8000人増(速報値は5万人増)に下方修正された。

失業率は4.3%(前月4.4%)に低下した。

1月の雇用持ち直しは医療分野が主導した。建設業やプロフェッショナル・ビジネスサービスも増加。製造業の雇用は月間ベースで約1年ぶりに増加に転じた。一方、連邦政府の雇用者数は引き続き減少した。

労働参加率は62.5%に小幅上昇した。平均時給は前月比0.4%増と堅調な伸びを示した。

そのほかにも明るい材料があった。経済的な理由からパートタイムでの仕事を余儀なくされている労働者の数は、2022年6月以来の大幅な減少となった。自発的離職者は増え、新しい仕事が見つかるとの自信が強まっていることが示唆された。27週以上にわたって失業している長期失業者も顕著に減少した。

人事コンサルタントの視点

1月の非農業部門雇用は13万人増と約1年ぶりの大幅回復を示し、失業率も4.3%へ低下、労働参加率の上昇や長期失業者の減少など質的改善も確認された。自発的離職の増加は労働者の自信回復を示唆する。

人事コンサルタントとしては、人事コンサルティングの軸足を攻めの人材戦略へ転換すべき局面である。採用再加速に備え、成長分野への重点投資、タレントパイプラインの再構築、リスキリングの高度化を推進することが重要である。同時に賃金上昇圧力に備え、報酬制度の再設計とエンゲージメント強化策を通じて持続的競争力を確立すべきである。

(2026年2月11日発表)

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