2026年2月分:求人件数は688万人に減少
概要
2月の米求人件数は688万2000件に減少した。前月は724万件(速報値694万6000件)に上方修正された。
業種別では、宿泊・飲食サービス、医療・社会支援、製造業などで求人件数の落ち込みが目立った。
採用率は2020年4月以来の水準に低下した。一方、レイオフ率は小幅に上昇した。
失業者数が求人件数を上回る状況が続いており、労働市場がインフレ圧力の主因ではないとする米連邦準備制度理事会(FRB)の見方を改めて裏付けた。労働需給のバランスを示す指標である失業者1人当たりの求人件数は0.9件に低下。2022年のピーク時には2件に達していた。
人事コンサルタントの視点
2月の米求人件数は減少し、採用率も2020年4月以来の低水準となるなど、労働需要の鈍化が一段と明確になった。宿泊・飲食、医療・社会支援、製造業での落ち込みは、広範な業種で採用抑制が進んでいることを示している。先行きについては、イラン戦争に伴う原油価格の高騰が企業のコストを押し上げ、さらに採用を抑制する恐れがある。
人事コンサルティングにおいては、企業に内部人材の再配置やリスキリングによる戦略的人材活用を提案すべきである。また、AI投資へのシフトが進む中で、職務再設計とスキル転換を体系的に進めることが不可欠となる。さらに、採用市場が緩和する今こそ、人事コンサルタントは中長期的な人材ポートフォリオの再構築と、生産性向上を軸とした組織改革を主導する必要がある。
(2026年2月5日発表)
2026年1月分:求人件数は695万人に増加
概要
1月の米求人件数は695万件に増加した。前月は655万件(速報値654万件)に上方修正された。
求人件数の増加は、金融・保険、医療・社会扶助、小売り、宿泊・飲食サービスなど幅広い業種にけん引された。製造業の求人は2024年半ば以来の高水準となった。
採用率は横ばいだった一方、レイオフ率は低下した。
労働需給のバランスを示す指標である失業者1人当たりの求人件数は0.9件で横ばいだった。2022年のピーク時には2件に達していた。
自発的離職者の割合である離職率は低水準で横ばい。これは労働者の間で、新たな職を見つけられるとの自信が弱まっていることを示唆している。
人事コンサルタントの視点
1月の米求人件数は695万件へ増加し、金融・保険、医療・社会扶助、小売り、宿泊・飲食サービスなど幅広い分野で回復が見られた。製造業でも求人が2024年半ば以来の高水準となり、労働需要には一定の底堅さが確認される。一方で採用率は横ばい、離職率も低水準にとどまり、失業者1人当たりの求人件数も0.9件と低く、労働市場の活力は依然として限定的である。
人事コンサルタントとしては、この局面では人事コンサルティングの焦点を「慎重な採用環境下での人材戦略」に置く必要がある。求人が増えても採用が拡大しない状況では、企業は即戦力人材の選別採用と内部人材の育成を並行して進めるべきである。特に金融や医療など需要が回復している分野では、採用競争力を高めると同時に定着施策を強化することが重要となる。また離職率が低い今こそ、人事コンサルタントはキャリア開発やリスキリング、マルチタスク化を通じて組織内部の人的資本価値を高める戦略を提案すべきである。
(2026年2月5日発表)