総務省が毎月発表する日本の就業状況、失業者、失業率に関する雇用指標に人事コンサルタントの視点からコメントを付けて掲載しています。
平成28年平均の完全失業率は3.1%となり、前年に比べて0.3ポイント低下した。6年連続で低下し、平成6年(2.9%)以来22年ぶりの低水準となった。
完全失業率を男女別でみると、男性が3.3%と0.3ポイント低下し、平成7年(3.1%)以来の低水準となった。女性も0.3ポイント低い2.8%と、93年(2.6%)以来の低水準だった。
完全失業者数は208万人と前年比14万人減少した。就業者数は6440万人と64万人増加した。正規の職員・従業員は51万人増加し、非正規は36万人増加した。非正規の割合は37.5%となり、前年より0.1ポイント上昇した。
同時に発表された平成28年12月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ3.1%だった。総務省は「引き続き改善傾向で推移している」との見方を示した。
男性の失業率は0.2ポイント上昇の3.4%、女性は0.2ポイント低下の2.7%だった。
勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は5万人増、「自発的な離職」は5万人増だった。
就業者数は31万人増の6475万人だった。
完全雇用に限りなく近い状態とみられ、人手不足で労働需給が逼迫した状況が続き、完全失業率は22年ぶりの低水準となった。こうした状況下でも、非正規の割合が増加しているが、人事コンサルティングにおいては雇用の質の改善を進めることが最重要テーマになると考えられる。
(2017年1月31日発表)
11月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は3.1%と前の月に比べて0.1ポイント上昇(悪化)した。
総務省は雇用動向について「引き続き改善傾向で推移している」と分析した。
完全失業率を男女別でみると、女性が2.9%と前月比0.2ポイント上昇。男性は前月と同じ3.2%だった。
完全失業者数(季節調整値)は205万人となり、前月から8万人増加した。「自発的な離職」は3万人増、勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は3万人減少した。
就業者数は11万人減少の6444万人、雇用者数は27万人減の5733万人だった。
11月の完全失業率は3.1%に上昇し、特に女性の失業率が2.9%と悪化していることが注目される。就業者数と雇用者数が減少していることから、労働市場においては依然として厳しい側面が見られる。総務省は改善傾向を維持していると分析しているが、非自発的な離職の減少に対し、自発的な離職が増加していることは、労働者が現状に不満を抱き、転職を考える動きが強まっている可能性を示唆している。こうした状況に対して、人事コンサルタントとしては、企業が魅力的な職場環境を提供し、離職率を抑えるための施策を強化する必要がある。また、特に女性の就労支援や職場定着に向けた柔軟な働き方の推進が重要である。
(2016年12月27日発表)
10月の完全失業率(季節調整値)は3.0%と前の月から横ばいだった。総務省は雇用動向について「引き続き改善傾向で推移している」と分析した。
完全失業率を男女別でみると、男性が3.2%と0.1ポイント低下した。一方、女性は2.7%と0.1ポイント上昇した。
完全失業者数(季節調整値)は197万人となり、前月から5万人減少した。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は4万人減、「自発的な離職」は2万人減少した。就業者数は6万人増の6455万人。雇用者数は16万人増の5760万人だった。
10月の完全失業率が3.0%で横ばいながら、非自発的な離職と自発的な離職がともに減少し、就業者数が増加している点は、雇用市場全体が改善傾向にあることを示している。しかし、女性の失業率が上昇していることは注意が必要だ。人事コンサルタントの視点からは、女性の失業率上昇への対策として、柔軟な働き方や育児支援制度の強化、キャリア開発プログラムの充実を提案する必要がある。
(2016年11月29日発表)
9月の完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月から0.1ポイント低下した。低下は2カ月ぶり。総務省は雇用動向について「引き続き改善傾向で推移している」との見方を示した。
完全失業率を男女別でみると、女性が2.6%となり、1993年8月(2.6%)以来23年1か月ぶりの低水準となった。男性は3.3%となり、前月から0.1ポイント低下した。
完全失業者数(季節調整値)は前の月に比べて8万人減の202万人だった。
勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は1万人減少、「自発的な離職」は、3万人減少した。
就業者数(同)は15万人減の6449万人だった。雇用者数は18万人増の5744万人だった。
完全失業率の低下と雇用者数の増加は、労働市場の持続的な改善を示している。特に女性の失業率が低水準に達したことは、性別間の雇用格差が縮小している可能性を示している。このような状況では、人事コンサルタントは企業に対して、多様な背景を持つ候補者を惹きつけるための包括的な人事戦略を提案することが重要である。
(2016年10月30日発表)
8月の完全失業率(季節調整値)は3.1%と、前の月から0.1ポイント上昇し、6か月ぶりに上昇した。
完全失業率を男女別でみると、男性が3.4%と前の月に比べて0.2ポイント上昇した。女性は横ばいの2.7%だった。
完全失業者数(季節調整値)は、前の月に比べて9万人増加の210万人だった。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は2万人増、「自発的な離職」は1万人増加した。就業者数(同)は6464万人と前の月から12万人減少した。雇用者数は1万人減の5726万人だった。
総務省は雇用動向について「引き続き改善傾向で推移している」との見方を示した。
完全失業率が3.1%に上昇し、特に男性の失業率が3.4%に上昇したことは、雇用状況の不安定さを浮き彫りにしている。人事コンサルタントは、企業が慎重な雇用戦略を立て、離職傾向を見極めながら組織の人材確保を重視するよう助言・提案する必要がある。
(2016年9月30日発表)
7月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月から0.1ポイント低下した。1995年5月の3.0%以来、21年2カ月ぶりの低水準となった。
人手不足を背景に労働需給が引き締まった状況が続いている。総務省は雇用動向について「引き続き改善傾向で推移している」と分析した。
完全失業率を男女別でみると、女性が2.7%と前月比0.3ポイント低下し、1993年9月の2.7%以来、22年10カ月ぶりの低水準となった。男性は前月と同じ3.2%だった。
完全失業者(季節調整値)は、前の月に比べて7万人減の201万人だった。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は1万人減、「自発的な離職」も1万人減少した。
就業者数(同)は6476万人と前の月から20万人増加した。雇用者数は11万人増の5727万人だった。
家計調査では消費支出が5か月連続のマイナスになったのとは対照的に、完全失業率は21年2か月ぶりの低水準となった。消費は穏やかに回復するとの見方が大勢を占めているが、人事コンサルタントの視点からは、賃金上昇の加速と社会保障制度に対する国民の信頼回復が、本格的な消費回復の鍵を握っていると考えている。
(2016年8月30日発表)
6月の完全失業率(季節調整値)は3.1%となり、前月から0.1ポイント低下して、1995年7月(3.1%)以来の低水準となった。
総務省は雇用動向について「引き続き改善傾向で推移している」とした。
完全失業率を男女別でみると、男性が3.2%となり、前月から0.2ポイント低下し、1997年5月以来の水準まで改善した。女性は3.0%となり、0.1ポイント上昇した。
完全失業者(季節調整値)は、前月から4万人減少して208万人だった。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は6万人減少し、「自発的な離職」は横ばいだった。
就業者数は6456万人となり、前月から47万人増加した。雇用者数は1万人減少して5716万人だった。
完全失業率が3.1%に低下し、1995年以来の低水準を記録したことは、雇用環境の改善を示している。男性の失業率が1997年以来の低水準に改善した一方、女性の失業率が若干上昇していることは、男女間での雇用機会の差異を反映している。人事コンサルタントとして、企業が多様な人材を活用し、ジェンダーバランスを考慮した採用戦略を推進することが重要である。
(2016年7月29日発表)
5月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は3.2%と、前月から横ばいだった。人手不足を背景に労働需給が逼迫した状況が続いており、完全失業率は3%台前半を維持した。
完全失業率を男女別でみると、男性が3.4%で前月と同水準だった。女性は2.9%と前月から0.1ポイント低下した。
完全失業者(季節調整値)は、前の月に比べて1万人増の212万人となった。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は1万人増、「自発的な離職」も2万人増加した。
正規の職員・従業員数は3376万人で、前年同月に比べ45万人(1.4%の増加、非正規の職員・従業員数は1990万人で、前年同月に比べ41万人(2.1%)増加した。その結果、役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.1%となり、前年同月に比べ0.2ポイント上昇した。
このような環境下では、人事コンサルタントが組織の人材戦略を見直し、労働力の質と効率を向上させるための施策を策定することが重要である。特に、正規と非正規の雇用のバランスの改善や、女性労働者の増加とそのキャリア支援が、組織の競争力強化に寄与すると考えられる。
(2016年7月1日発表)
4月の完全失業率(季節調整値)は3.2%となり、前月から横ばいだった。
人手不足により労働需給が引き締まった状態が続き、3%台前半の失業率を保った。
総務省は雇用の動向に関して「引き続き改善傾向にある」との見方を示した。
完全失業率を男女別にみると、男性は3.4%、女性は3.0%でともに前月と同水準だった。完全失業者は横ばいの211万人だった。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は1万人増、「自発的な離職」は3万人増だった。
就業者数は6407万人となり、前月から20万人増えた。雇用者数は21万人増の5714万人だった。就業率は前年同月から0.5ポイント上がり57.8%となった。
完全失業率が3.2%で前月と横ばいを維持したことは、労働市場が人手不足の中で引き締まった状態が続いていることを示している。男女別の失業率がともに横ばいであることも、安定した雇用環境を反映している。就業者数と雇用者数が増加し、就業率も前年同月比で上昇していることから、労働市場の改善傾向が続いている。このような状況下での人事コンサルティングでは、企業が引き続き人材の確保と定着を図るための施策が重要である。人事コンサルタントとして、労働市場の動向を踏まえた柔軟な採用戦略や、既存社員のスキルアップとキャリア開発を支援するプログラムを提案することが求められる。
(2016年5月31日発表)
3月の完全失業率(季節調整値)は3.2%となり、前月から0.1ポイント低下した。
完全失業率を男女別にみると、男性が前月比0.2ポイント低下の3.4%、女性は0.2ポイント上昇の3.0%だった。
完全失業者は前月比5万人減少の211万人となった。男性が9万人減少する一方、女性は4万人増加した。「自発的な離職」は5万人減少、勤務先の都合や定年退職などの「非自発的な離職」は1万人減少した。
就業者数は6387万人となり、前月から13万人減少した。雇用者数は18万人減少の5693万人だった。非労働力人口は22万人増の4477万人となり、2カ月連続で増加した。
就業率は前年同月から0.1ポイント上昇し57.2%となった。宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などで就業者の増加傾向が続いた。
完全失業率が3.2%に低下したことは、全体的な雇用情勢の改善を示しているものの、男女間で異なる動向が見られる点は重要である。特に男性の失業率が低下する一方で、女性の失業率が上昇していることは、女性の雇用機会や職場環境に課題があることを示唆している。人事コンサルタントとしては、男女平等の雇用機会の推進、柔軟な働き方の導入、労働市場への再参入支援の施策を提案するべきである。人事コンサルティングのテーマとして、全ての従業員が持続可能なキャリアを築ける環境を目指し、企業の競争力と従業員のエンゲージメント向上を図るべきである。特に、男女間の雇用格差を解消し、多様な働き方を支援することが、長期的な企業の成長と安定に繋がる。
(2016年4月28日発表)
2月の完全失業率(季節調整値)は3.3%となり、前月から0.1ポイント上昇した。総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」としている。
完全失業率を男女別にみると、男性が前月比0.2ポイント上昇の3.6%、女性が0.1ポイント低下の2.8%となった。
完全失業者は前月比4万人増の216万人となった。男女別では男性が7万人増加し、女性が3万人減少した。勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は3万人減、「自発的な離職」は3万人増だった。
就業者数は6400万人で前月から58万人減少した。雇用者数も14万人減の5711万人となった。
就業率は前年同月から0.3ポイント上昇し、57.4%となった。宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などで就業者が増加した。
人事コンサルタントとして企業に提案すべき点は、まず労働市場の変動に対応するための柔軟な人事戦略の構築である。特に男性の失業率が上昇している点に対して、リスキリングや再就職支援の強化が求められる。また、女性の就業率向上を維持するために、職場環境の整備やワークライフバランスの推進も重要である。さらに、宿泊業・飲食サービス業や医療・福祉分野での就業者増加を踏まえ、これら成長分野への人材供給を積極的に支援することが重要である。企業は従業員の多様なニーズに対応しつつ、持続可能な成長を目指すための包括的な人材育成プログラムの導入を検討すべきである。
(2016年3月29日発表)
1月の完全失業率は3.2%で、前月から0.1ポイント低下した。総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」としている。
就業率は前年同月から0.8ポイント上昇して57.8%となった。
完全失業率の男女別では、男性が前月比0.2ポイント低下の3.4%、女性が横ばいの2.9%だった。
完全失業者数は前月比9万人減の212万人となった。このうち、勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は1万人増、「自発的な離職」は6万人減だった。
就業者数は458万人となり、前月から増加した。雇用者数も50万人増の5725万人となった。
人手不足や女性の労働参加などを背景に、製造業や医療・福祉、運輸・郵便業などで就業者が増加し、完全失業率を押し下げた。ただ、「自発的な失業」が6万人減少したのは意外だった。
(2016年3月1日発表)
12月の完全失業率は3.3%となり、前月から横ばいだった。総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」とした。
完全失業率を男女別にみると、男性が0.2ポイント上昇して3.7%、女性は0.2ポイント低下して2.9%だった。
完全失業者数は222万人となり、前月から5万人増加した。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は2万人増、「自発的な離職」は前月と同じ、「新たに求職」している人は1万人増だった。
就業者数は6403万人となり、前月から45万人増加した。仕事を探していない「非労働力人口」は4442万人となり、50万人減少した。
同時に発表された2015年平均の完全失業率は3.4%となり、前年から0.2%低下した。これで5年連続の低下となり、1997年以来18年ぶりの低水準になった。
正規の職員・従業員(原数値)は3313万人となり、26万人増加した。リーマン・ショック前の2007年以来8年ぶりの増加となり、減少に歯止めがかかった。
求職者が労働市場に参入する動きが鮮明となり、引き続き雇用情勢が改善を続けていることを示す結果となった。平成27年には正規の職員・従業員が8年ぶりに増加に転じるなど明るい兆候が見られた。
(2016年1月29日発表)
11月の完全失業率は3.3%となり、前月から0.2ポイント上昇した。総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」とした。
完全失業者数は217万人となり、11万人増加した。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は3万人減ったものの、「自発的な離職」は6万人、「新たに求職」している人は5万人それぞれ増加した。
主な産業別の就業者数(原数値)は卸売・小売業や農業・林業で前年同月から減少した。一方で高齢化を背景に、医療・福祉は22カ月連続で増加した。製造業は女性の正社員雇用が進み、9カ月ぶりに増加した。
就業者数(季節調整値)は6358万人で、前月比38万人減少した。仕事を探していない「非労働力人口」は4492万人となり、23万人増加した。
完全失業率は3ヶ月ぶりに上昇したが、雇用情勢の改善を受け、よりよい職を求めて自己都合で退職する人や新たに職探しをする人が失業者として加わったことによるとみられる。特に25~34歳の完全失業率の上昇が目立っており、若年層がよりよい職を求め退職しているようだ。
(2015年12月25日発表)
10月の完全失業率は3.1%となり、前月から0.3ポイント低下した。改善は3カ月ぶりとなり、1995年7月以来、20年3カ月ぶりの低水準となった。
就業者数(原数値)を業種別でみると、医療・福祉は26万人増、宿泊・飲食業が13万人増など、非製造業の雇用の伸びが目立った。製造業は4万人減少となり8カ月連続で減少した。
15~64歳の就業率は74.0%、女性は65.5%となり、比較可能な1968年以降での最高を更新した。
完全失業率を男女別にみると、男性が0.2ポイント低下の3.4%、女性は0.4ポイント低下の2.7%だった10月は男女ともに失業者が減少し、完全失業率の大幅な低下につながった。完全失業者数は206万人で22万人減少した。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は3万人、「自発的な離職」は7万人、「新たに求職」している人は12万人減少した。
就業者数は6396万人で、前月比3万人減少した。雇用者数は12万人増加しており、自営業者の減少が要因とみられる。仕事を探していない「非労働力人口」は4469万人と26万人増加した。
医療・福祉を中心に非製造業で雇用が拡大し、2011年9月以来の大幅な失業率の低下となった。このところ医療・福祉分野の雇用の増加が失業率の低下を支える状況が続いている。 介護・福祉分野の雇用は今後も継続的に増加することが見込まれるが、待遇の改善が課題となる。
(2015年11月27日発表)
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