評価制度(経営コンサルティング)
曖昧な評価基準により社員の納得を得られていなかった状況を、チームへの貢献度やスキルを評価基準として明確化し、組織全体のパフォーマンス向上を実現した経営コンサルティング会社(社員数80名)の成功事例をご紹介します。
依頼の背景と課題
この経営コンサルティング会社では、能力評価と売上をベースとした業績評価の2本立ての人事評価制度を導入していました。しかし、能力評価は評価基準が非常に曖昧で、上司の一方的な評価(1way評価)となっており、上司の裁量に大きく依存するものでした。そのため、評価に納得できず不満を抱える社員が多く存在しました。
さらに、業績評価は個人の売上のみが評価指標とされており、プロジェクトチームで業務を遂行する同社の業務形態とは合致していませんでした。プロジェクトにおけるチームワークやメンバーの貢献度が評価に反映されないため、社員のモチベーション低下やチーム内の不和を招いていました。
業務の拡大に伴い、今年度中にも新たな社員を増やす計画があるため、その前にプロフェッショナルを適切に評価できる人事評価制度にリニューアルしたいと考えていました。
評価制度設計のポイント
スキル評価の導入
- コアスキルの設定:企業の価値観を体現した行動をコアスキルとして設問設定しました。
- 業務スキルの設定:プロジェクトチームで業務を遂行する自立したプロフェッショナルという特性を踏まえ、コミュニケーション能力、チームワーク、自律性、問題解決能力などを意識してスキル評価の業務スキルを具体的に設定しました。
- マネジメントスキルの強化:メンバーの自律性を高める観点から、リーダーシップや人材育成などのマネジメントスキルの設問を設定しました。
業績評価の見直し
- プロジェクト評価の導入:プロジェクトチームにおける業務の量と質、チームへの貢献度、プロジェクト目標の達成度などを評価指標として設定しました。これにより、個人の売上だけでなく、チーム全体の成果や協働性が評価に反映されるようになりました。
- 自己PR制度の導入:自立したプロフェッショナルとして、自らの会社への貢献を認識し、周囲にコミュニケートできる力を期待して、自己PRの場を評価プロセスに組み込みました。社員は自分の成果や取り組みをアピールすることで、評価者との認識のギャップを埋めることが可能となります。
- KPIの設定:業務目標(KPI)を明確に設定し、個人およびチームの目標達成度を客観的に評価できる仕組みを構築しました。
評価プロセスの透明性向上
- 評価基準の明文化:全社員に評価基準や評価方法を明確に開示し、評価プロセスの透明性を高めました。
- フィードバック面談の充実:評価結果をもとに、上司と部下の間で定期的なフィードバック面談を実施し、社員の成長をサポートしました。
- 評価者研修の実施:評価者となるマネージャーに対して、適切な評価方法やフィードバックスキルを習得するための研修を行いました。
キャリアパスの多様化
- 専門職コースの設定:マネジメント志向だけでなく、専門スキルを深めたい社員のために、専門職コースを設定し、多様なキャリアパスを提供しました。
- 昇進・昇格要件の明確化:各グレードやポジションに求められるスキルや成果を具体的に定義し、キャリアアップの道筋を明確にしました。
コンサルティングの成果と効果
新しい人事評価制度の導入により、社員の自律性が刺激され、プロ意識やチーム精神が醸成されました。具体的には以下の成果が得られました。
- 評価に対する納得感の向上:評価基準が明確化され、評価プロセスの透明性が高まったことで、社員の評価に対する納得感が大幅に向上しました。不満を抱える社員の数が減少し、離職率も低下しました。
- プロジェクトの生産性向上:プロジェクトチームにおける各社員の役割や貢献度が評価に反映されるようになったため、チーム内での協力体制が強化され、生産性が飛躍的に向上しました。プロジェクトの成功率も上昇し、顧客満足度の向上につながりました。
- 社員の成長とエンゲージメント向上:フィードバック面談やキャリアパスの明確化により、社員は自身の成長目標を明確に持つようになり、エンゲージメントが高まりました。
- 組織全体のパフォーマンス向上:新しい評価制度が組織文化に良い影響を与え、全社的なパフォーマンスの向上が見られました。売上高や利益率も前年同期比で大幅に改善しました。
本事例は、評価制度の再構築により、組織全体の活性化と業績向上を実現した成功例です。当社は、このような取り組みを通じて、企業の持続的な成長と社員の幸福を追求するお手伝いをしております。人事制度や評価制度の見直し、組織改革をご検討の際は、ぜひ当社の人事コンサルティングをご利用ください。