人事制度(素材メーカー)

会社の価値観を反映したスキル評価と目標管理に基づく業績評価を基軸とした成長基準の人事制度を導入し、社員のエンゲージメント向上と成長の加速を実現した素材メーカー(社員数300名)の成功事例をご紹介します。

依頼の背景と課題

この素材メーカーは、30年前に導入した人事制度を長年運用してきましたが、以下のような課題が明らかになっていました:

  • 年功序列の制度:年齢や勤続年数が重視され、実力や成果が評価に反映されにくい状況でした。
  • 会社の価値観の未反映:評価制度に会社の価値観が反映されておらず、社員への浸透が進んでいませんでした。
  • 業績評価制度の欠如:明確な業績評価制度がなく、社員の成果や貢献度が適切に評価されていませんでした。
  • 成長と昇給・昇格の連動性の欠如:社員の成長が昇給や昇格に直接結びつかず、モチベーションの低下を招いていました。
  • 技術力のある社員の処遇不足:高度な技術を持つ社員を適切に評価・処遇する仕組みがなく、優秀な人材の定着に課題がありました。

これらの課題を解決し、会社の価値観を効果的に社内に浸透させるとともに、目標を明確化することで若手社員の成長意欲とチャレンジ精神を引き出し、競争優位に直結する技術力のある社員を育成し、会社の成長を加速させたいと考えていました。

人事制度設計のポイント

グレードの見直し

  • 実力基準のフラットなグレード設定:組織の階層をシンプルにし、社員が自分の能力や成果に応じて正当に評価されるフラットなグレードを導入しました。
  • エキスパートコースの設定:高度専門職の処遇を改善するため、マネジメント以外の道でキャリアアップできるエキスパートコースを新設しました。

評価制度の見直し

  • 会社の価値観を反映したスキル評価:経営理念や価値観を評価の設問に取り入れ、社員がそれらを日々の業務で実践できるようにしました。
  • 管理職への360度評価の導入:管理職に対しては、上司、同僚、部下からのフィードバックを含む360度評価を導入し、リーダーシップやマネジメント能力の向上を促しました。
  • ストレッチ目標を基準とした目標管理と自己PRの導入:社員自身がチャレンジングな目標を設定し、その達成度を評価する目標管理制度を導入しました。また、自己PRの機会を設け、自身の成果や取り組みを積極的にアピールできるようにしました。

賃金制度の見直し

  • 基本給に範囲給を導入:基本給を一定の範囲内で設定し、能力や成果に応じて柔軟に賃金を決定できるようにしました。
  • 業績連動型賞与の導入:業績評価の結果を賞与に反映させ、成果に応じた報酬を提供しました。

反映ルールの明確化と昇給・昇格基準の設定

  • 成長基準の昇給ルールの設定:評価結果を昇給に反映させる際、社員の成長度合いを基準とするルールを設定しました。
  • メリハリのある賞与配分ルールの設定:業績評価に基づき、成果に応じたメリハリのある賞与配分を行いました。
  • 昇格ルールの設定:評価の再現性を基準に、継続的に高い成果を出すことを社員を昇格対象としました。

コンサルティングの成果と効果

会社の価値観を反映したスキル評価の導入により、価値観の浸透が促進され、社員の帰属意識や連帯感が醸成されました。社員一人ひとりが会社のビジョンやミッションを理解し、日々の業務で実践するようになりました。

また、技術力がありながらマネジメントには向いていない社員に対しても、エキスパートコースを通じてキャリアアップの道が開かれ、社員のキャリアパスの選択肢が増加しました。これにより、これまで埋もれていた社員の活性化が図られ、組織全体の技術力が向上しました。

さらに、成長基準の人事制度を導入したことで、社員の成長意識が高まりました。目標管理制度により、社員は自分の目標を明確にし、その達成に向けて主体的に行動するようになりました。これがエンゲージメントの向上につながり、組織全体のパフォーマンスが向上しました。

本事例は、30年前の古い人事制度を見直し、会社の価値観を反映したスキル評価や目標管理制度を導入することで、社員のエンゲージメント向上と組織の成長加速を実現した成功例です。当社は、企業の課題やニーズに合わせて最適な人事制度の構築をサポートいたします。

人事制度の見直しや組織改革、社員のモチベーション向上をご検討の際は、ぜひ当社の人事コンサルティングをご利用ください。貴社の持続的な成長と社員の幸福を追求するパートナーとして、全力でお手伝いいたします。

関連ページ

人事制度コンサルティング 人事評価制度 スキル評価 賃金制度設計