「期待」を軸とした新しい人事制度を提案
期待を軸として人事制度のイメージを刷新
人事制度は、会社の経営管理システムの中核を担う仕組みであり、会社と社員にとっての重要なコミュニケーション基盤です。積極的な活用によって、人材育成や業績向上など、経営にとって望ましい多様な効果を生み出します。
しかしながら、従来の人事制度の多くは査定を中心とした枠組みであり、どちらかというと閉鎖的で硬直的な印象が強く、社員が積極的に関与しにくい仕組みとなっていました。
こうした背景を踏まえ、当社では、従来の人事制度のイメージを刷新し、「期待」を軸に据えた次世代型人事制度の設計思想として、ゲーム的要素を取り入れた「期待貢献人事制度」を提唱しています。
「成果は、上司や周囲からの期待に影響を受ける」というホーソン効果や「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」というピグマリオン効果といった心理学の知見が示すように、「期待」は社員一人ひとりのモチベーションに直接働きかけ、成長と成果に大きな影響を与える要因です。「期待する・期待される・期待に応える」という行為は、目標達成のベクトルを強化し、業績向上を実現する原動力となります。同時に、人事制度にゲーム感覚的な要素を取り入れることで、社員の積極的な参画を促し、社員の自己実現や成長の可能性を拡げ、企業に新たな成長機会をもたらします。
「期待」と「貢献」を可視化するという発想
人が成長し成果を上げるためには、自分に何が期待されているのかを理解し、その期待に応えようとする意欲が重要です。期待貢献人事制度は、この「期待」と「貢献」という抽象的な概念を、当社独自の手法により定量化し、誰もが共有できる形で可視化することを目指しています。
これにより、上司と部下の間で「どの水準の貢献が期待されているか」「どの程度成果を上げれば次のステージに進めるのか」といった対話が、感覚や印象ではなく、共通の基準に基づいて行えるようになります。期待の明確化と貢献の可視化は、社員の納得感と挑戦意欲を高め、組織全体の成長循環を生み出す起点となります。
期待貢献人事制度の概要と特徴
一人ひとりの社員が上司や周囲から「期待」されていると思え、かつ自ら積極的に参画したいと思える枠組みができれば、より良い成果を生み出し、会社の業績も向上にもつながります。期待貢献人事制度は、社員が「期待されている」と実感できる環境を整備すると同時に、ゲーム感覚的な要素も取り入れて、社員の主体的な参画を促進する新しい人事制度です。
本制度では、社員一人ひとりに期待される業績貢献の大きさを
さらに、各グレードに求められる業績貢献レベルと組織目標を照らし合わせることで、各社員に期待される具体的な業績貢献を決定します。そのうえで、この期待される業績貢献をベースに、会社と社員の間で合意形成を行い、達成時の賞与や期待貢献給などのオッズ(支給率)を決定します。この仕組みにより、社員と会社の間で「期待」と「貢献」に関する対話が具体的な数値で行えるようになります。
つまり、「給与の○%アップが期待できる業績はこれです。」「会社があなたに期待する業績はこれで、実現したらあなたの処遇はこうなります。」「自分に期待してほしいのはこの業績。実現したら、自分の処遇はこうなりますか。」等についてのキャッチボールが可能になります。
期待貢献人事制度は、人事制度にゲーム感覚的な要素を取り入れることにより、社員の積極的な参画を促し、自己実現や成長の可能性を拡げ、会社により多くの成長機会を創り出します。同時に、評価・フィードバック・チャレンジを積み重ねることで、キャリアプランが明確になります。
期待貢献人事制度導入のメリット
期待貢献人事制度は、期待貢献の大きさを定量化することで、現実感と納得感のある評価を実現し、過度なプレッシャーや曖昧さを抑制します。導入により、社員にとっては自己実現や挑戦の機会が広がり、会社にとっては成長の可能性を拡げる価値ある取り組みとなります。 期待貢献人事制度導入の主なメリットは下記のとおりです。
- 自然に業績向上サイクルに乗ることができる
- 社内のコミュニケーションが活発となり、組織の結束力が高まる
- 評価や処遇に対する納得感を得られやすい
- 社員の自発性、主体性を引き出せる
- シンプルで運用しやすい
人事制度の設計全般について詳しく知りたい方は、人事制度コンサルティングの総合案内ページをご覧ください。
また、人事制度と一体不可分の関係にある人事評価制度について詳しく知りたい方は、人事評価制度コンサルティングの総合案内ページをご覧ください。