第10回:グッドライフデザイン人事制度反響(2)
先日、グッドライフデザイン人事制度という新しい人事制度のコンセプトを発表しました。この人事制度についての会社役員・人事部門長を務める知人の感想を前回に引き続き、ご紹介させて頂きます。
Wさん
グッドライフデザイン人事制度というネーミングがいい。スマートでスタイリッシュ、QOLを意識した感じがいい。内容はウェルカム自己責任という感じか。旧型の日本人にはちょっとどうかとも思ったが、その会社で人生計画を持つあたりは終身雇用の新しいカタチかとも思った。最近の調査で若い人が終身雇用を良いと思っているらしき情報があったが、もう以前のような雇用形態には戻らないと思う。
でも、何かに繋がっていたいとはいつの時代もだれでも思うことだろうから、新しい感覚で「会社に属している、会社や会社の仲間と繋がっている」感じがあれば、仕事に幸福感が生まれるかも知れない。若い社員が多い会社やニュービジネス系の会社、ITクリエイティブなど、これから成長しようとしている会社に合っていると思う。ただ、成果主義も捨てられなくて、何となく終身雇用で、しかもWLBを実践しなくてはならない大企業にも合っている気がする。
日本の未来を考えると、まずは一人ひとりがしっかり働いて生活することだと思うので、全体的な雇用不安を減らすような、何かイメージ戦略として、グッドライフデザイン人事制度はいいと思った。人事コンサルティング会社もたまには面白いことを考える。
Aさん
グッドライフデザイン人事制度のコンセプトは何となくわかったが、実際の運用については今一つ想像できない。ベースは成果主義でも能力主義でも何でもいいみたいなので、そこに個人主体の人生計画的な目標が加わるということか。会社としては、全体としてシンプルな人事制度がいいに決まっているのと、ダイレクトに賃金に結びついていた方がやり易いので、そこをどうプレゼンしていくのかには興味がある。
せっかくなので、社員にどう思うかちょっと聞いてみた。女性社員には「人生計画っていうとプライベートがばれる感じでいや。でも資格取得を応援してくれる感じがいい。」と言われた。男性社員からは「他部署にトレードを希望できるとか、宣言した自分目標をクリアしたらキャリアアップできるなんて、ゲーム感覚で最高じゃないですか。いつ結婚するとかも宣言しておくんですかね。有言実行ってことで。」と言われた。そういうことなのだろうか・・・。
ついでにマネージャー連中にも聞いてみた。「こっちからお願いしてレベルアップしてもらうのは難しいので、手を上げさせるというやり方はいいと思う。」、「社員一人ひとりの話をどれくらい聞くことになるのか、時間がかかるのはこの時短時代に逆行している。」、「心の絆的終身雇用?単純にいいと思う。飲み会じゃ社員のハートは掴めないので。」ということだった。
あくまでも勝手な想像ではあるが、まあそんなことなのかも知れない。
Eさん
新感覚の人事制度というので何だろうと思った。成果主義に続く○○主義かと思ったが、そういういわゆる評価と報酬に関することではなく、もっと全体的なことだった。幸福や個人の人生と会社・ビジネスを結びつけているあたりが、何か照れくさい気がするが、「何のために働くのか」という問いに対する正しい答えになっている。
日本人に合っているかどうかは疑問だが、少なくともこれからの日本には「個人が自分の幸せについて自ら考え実行しなければならない」という状況が訪れると思う。誰もが、黙っていてもそこそこ幸せになれるという時代ではない。まだまだこれから国際競争が必要になるが、それに耐えられるか。皆とても疲れている。雇用の状況も好転はしない。
グッドライフデザイン人事制度はそういったネガティブサイドな状況をどう脱するか・・・。視点を変えよう、価値観を変えようということだと思う。そこに人事制度でアプローチするというのは新鮮だった。今までの人事コンサルティングの枠を超える発想ではあると思う。
まだまだ、ご意見をお持ちしております。今後とも、グッドライフデザイン人事制度を宜しくお願いいたします。