第8回:Happy人事制度でgo!(2)

人事制度は会社の重要な経営システムの一部であり、会社・社員にとっての利益分配や協働の場における組織維持・集団活動の為の決めごと、社員の会社生活における基盤となるもの等々・・・ですが、それらとは完全にシンクロしない「個人の幸せ、個人の充実」という、従来の人事コンサルティングでは余り重視されてこなかった側面から人事制度を考えてみます。

「あなたが幸せな時、幸せを感じるのはどんな時ですか」という質問に対して、多くの人が、「おいしいものを食べている時」、「家族やペットが健康で仲良く暮らしていること」、「趣味など自分の好きなことをやっている時」、「欲しかったものが手に入った時」、「仲間や友人とのサークル活動」など、生活が安定しているからこそ成り立つ「幸せ」がほとんどです。

生活を安定させるためには、仕事をして収入を得なくてはなりませんが、その仕事に人生の時間の大半を注ぎ込んでいるわけですから、辛く苦しい労働よりも快適で楽しい労働の方がいいに決まっています。しかも、自分の好きなことで面白くて収入も良い仕事・・・。でも、そんなうまい話がないことも皆わかっているので、大勢の人が「自分にとってちょっと納得できることを見つけて、折り合いをつけて、収入のために多くのことに耐えるのが仕事」という割り切りで、毎日、一日の大半の時間を労働に充てているのです。もちろん、毎日の労働を通じて、楽しいことや、新しい刺激、充実していること等もたくさんあるので、仕事が続けられるというのも感謝すべき事実です。

でも、やっぱり仕事は生活のために我慢してするものだから、仕方なく続けているだけ。今の仕事でステップアップするにはもっと知識やスキルを身につける必要があるけれど、プライベートな時間を割いてまで習得しようとは思わない。ライバルには勝ちたいけれど、負けたら格好悪いし、皆と仲良くしたいし。ポジションはそれなりに上がっていく方がいいに決まっているけど、だからといって重圧やストレスを感じるのはイヤ・・・、ネガティブだけどそれが本音。そんな人達が、上司、部下、同僚の大半だとしたら・・・。でもご安心を。特に問題はないのです。

これをPositive and Happy言語に置き換えると次のようになります。

仕事は仕事、プライベートはプライベート、という気持ちの切り替えができており、忍耐力もある。仕事において今の自分がステップアップするのに足りない知識やスキルが何かもわかっていて、仕事を通じて習得する機会があるといいなと思っている。競争心はあるけれど、「自分一人だけ」より「皆一緒に」勝てるように協働・協調の精神で頑張りたい。上昇志向もあるけれど、皆に迷惑をかけないためにはポジションに応じた責任感が必要だと思うので、より強いリーダーシップと気持ちが今の自分には必要・・・。

そんな人が社員の大半だとしたら、実に幸せな会社であり、それを支えているのは「個人の努力による個人の幸せ・個人の充実」なのです。個人的に幸せな社員が大勢いれば、会社が不幸になることはありません。

だから、会社は個人の幸せをバックアップするような会社と社員個人の関係を築けばいいのです。でも、どうすれば・・・。会社の人材処遇の決まり事である人事制度にしてしまえばいいのです。実は、色々な意味で簡単なことではないのですがポイントは、

  • その時代の感覚を捉えた誰にでも分かりやすいコンセプトがある
  • 自分が何をすればどうなっていくのか、個人のストーリーが想像できる
  • 会社ライフデザインの明示

など、自分と会社の関係がいつでも感覚的に掴める、イメージできるように設計して、完全ビジュアル化するということです。

もちろん、Positive and Happy言語を使います。そのために会社は、今までとちょっと違う人事制度を作る必要があります。意外と今会社に必要なものは、これかも知れません。個人の幸せと会社の幸せがシンクロするように願いを込めて作ります。

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