第9回:グッドライフデザイン人事制度の反響(1)

先日、グッドライフデザイン人事制度という新しい人事制度のコンセプトを発表いたしました。

この人事制度について、会社役員及び人事部門長の役職にある知人に感想を聞いておりますので、2回に分けて順次ご紹介させて頂きます。

Oさん

グッドライフデザイン人事制度は、もしかしたら人事制度の新しい領域かもしれないと思った。単純に人は幸福のありそうなところに集まるし、幸福をつかむためにお金やエネルギーを使う。当然そこには活気や活力が溢れるし、幸福が幸福を呼んでいる感じ。経済と幸福の関係性を考えても納得できる。その幸福の現場が働く場所にあったら、社員も会社も活き活きとして業績も向上するだろう。

まあ、その雰囲気をどうやって創り出して維持するのかなという疑問は残るものの、「個人に任せる」みたいな今までとは異質な着眼点で、何というかアドレナリンを出すのではなく、セロトニンを出す感じだったので、これはいいかも知れないと思った。

Kさん

WLB(ワークライフバランス)と言われている。子育てや介護といった社員個人の事情を会社の制度に組み込むようになった。会社は社員の働きすぎをチェックして、社員個人の健康維持に努めなければならない。会社は結局社員の生活を管理している。だったら、キャリアや働き方も含めてポジティブ視点で社員個人の将来に対する思いや人生計画も情報共有すれば、会社も社員も両者ハッピーでしょうというのがグッドライフデザイン人事制度か。

内容はもちろん全く違うが、新しいタイプの「イメージ的終身雇用」のような感じがした。会社がずっと成長路線にないことは、現実として皆分かっていることだから終身雇用はもうないだろうけど、成果主義もそろそろないかもという気がしている。

だからといって、グッドライフデザイン人事制度なのかどうかはよくわからないが、従来の人事コンサルティング会社の提唱する人事制度にありがちな課題解決型ではないところに新しさを感じるし、会社視点のみではないことも独特なものを感じる。ただ、グッドライフデザイン人事制度が実際の人事制度としてどのように機能するかは想像がつかない。

Tさん

成果主義でWLB。あり得ない。それに今の時代、社員個人が幸せになるかならないかは社員の自由なので、会社が口を出すのはおかしいし、社員にとっても余計なお世話かも。ただ、以前のように福利厚生を充実させることは今後多分ないので、社員に幸せになってもらいたいと思うならば、その働き方や賃金でということになる。しかし、そもそも納得性や公平性を保ちながらあるものを配分して、全員で更なる業績向上を目指すということ位難しいことはないと思っている。

グッドライフデザイン人事制度が、何かを生んだり変えたりするとしたら、最初に言った成果主義でWLBの矛盾に手をつけるということかと思う。社員が皆幸せなら、当然会社は良い状況にある訳だし、経営サイドも明るく楽しい活気ある職場を見ている方がいいに決まっている。人それぞれといっても、社員は「同じ会社で働いている」ということが最大の共通点なので、そこを中心にモノを考えるというスタンスには合理性を感じる。

しかし、自分で自分の生き方を考えることに皆慣れていないので、自立心のある社員はいいが、大半の社員には、本でも読んでもらうなど自己啓発が必要かもしれない。でも、そういうきっかけにもなる訳だ。

Sさん

業績ばかりを中心にする考え方は、何となくこれからの時代には合っていないような気がしていた。そもそも経済成長が続くわけがないし、そんな中で自分の会社だけ何とかなると考える方が非現実的だと思う。それでも会社として生き残るには業績を追い続けなくてはならないし、本当にずっと業績を追い続けるなら、やはりそれなりの人事制度コンセプトにしていかないとリアルではない。

会社もそろそろ社員を個人でとらえた方が良いかもしれないとは以前から思っていた。右肩上がりではない、競争相手が隣近所ではない、努力だけでは報われない、そんな時代に社員全員同じコースという訳にはいかない。それにやはり、前線の社員と後方支援の社員は考え方や生き方、抱えるストレスも違う。そんなに単純な話ではないので、まずは社員個人が会社における自分計画を示し、目的を持って働くというお膳立てには賛同できる。キャリア形成に社員個人の考えが反映するということは、それなりに個人責任とか納得性も生まれると思うので、確かに業績向上のきっかけにはなる。

グッドライフデザイン人事制度は、多分人事コンサルティング会社として、そんな風なことをモチベーションビジネスとは無関係にドライに人事制度にしたかったのではないかと思うがどうだろう。個人的には面白いと思った。でも、世の中の動向からして、確実にグッドライフデザイン人事制度的な方向だと思うが、時期的にはまだ少し早いかもしれない。


多くの方が、グッドライフデザイン人事制度に関して色々なことを感じてくれていることに、ちょっと感動しました。次回に続きますので、乞うご期待。

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