第3回:経営コンサルタントの資質
「経営コンサルタントにとって重要な資質には、どんなものがありますか?」と聞かれたら、まず「チャレンジ精神とクリエイティブな感性です。」と答えています。経営コンサルティング業なのに何故?!と思われる方も多いと思います。
もちろん、他にも重要な資質はたくさんありますし、クライアントのオーダーを成功に導くためには、セオリーやメソッド、情報力や交渉力、経験、そして情熱も必要です。それでも、「チャレンジ精神とクリエイティブな感性を持っている」ということが、とても重要なのです。
経営コンサルタントにとってのチャレンジ精神とは、仕事柄、自分のスキルアップやキャリアアップ、自社の新規事業開発等へのチャレンジとは違います。それは、クライアントの課題を解決、あるいはクライアントのプロジェクトを成功に導くためのものであって、もっぱら他者のために発揮するものです。
このチャレンジ精神を構成する要素は2つあります。一つは、ネガティブ要素満載でストレス上等にもかかわらず、さらに新たな問題の発生や事情の変更、それらを全てひっくるめて何であろうがとにかく「目標達成に向かって突き進むことができる」精神力。
もう一つは、やれば必ずできるとは限らないが、色々考えてやったのにできない、ということもあり得ない。現実問題として、ウルトラCはないけれど棚ボタはたまにある。だから「やればできる」という、一見根拠がなさそうな強い信念。
次に経営コンサルタントにとってのクリエイティブな感性とは何か。
「クリエイティブ」と聞いて、思い浮かぶワードは、例えば「創造力、創意工夫、発想力、表現力、直観力、デザイン、アート、目に見えないもの、個性的、モノづくり、流行、感動・・・etc.」等、色々あると思います。
実は、その色々がコンサルティングを成功させる要素でもあるのです。例えば、事業戦略を策定する際に、単にその目的を達成するためだけではなく、周辺に良い影響を及ぼす、あるいはオマケが生じるように考えてみたり、人事制度を構築する際にも、少し先進的な考え方や新しいコンセプトを提案してみたり等。
常に本題のみを考えるのではなく、その周辺や将来性、ライブ感をイメージしながら、本題のベストパフォーマンスを絞り込んでいくといった感じでしょうか。
本来、人事コンサルティング等のコンサルティングには、もっと自由で豊かな発想が取り入れられるべきだと考えています。そして、これからの時代は、今までとは少し違った感覚の“自由な・新しい・楽しい”発想が経営コンサルタントに求められているような気がしています。