第1回:不況下のサバイバル術(1)
最近発表された月例経済報告、GDP速報値(年率換算で-12.7%)等の経済指標は、軒並み大幅に悪化し、リーマンショックを契機とした昨年秋以降の景気の大幅な後退が、通常の景気循環の後退局面などとは全く異質のものであることを裏付けています。
特に外需、それも米国の好調な景気に多くを依存してきた日本経済のダメージは大きい。経済アナリスト、エコノミストの間からも100年に1度の大不況という声まで聞かれるほど、今回の景気後退局面は底が見えません。
景気後退=市場のパイの縮小なので、この局面では競争の激化、淘汰、再編が繰り返され、世の中に新興の市場や企業が生まれる条件が整うのです。そういった意味では、景気後退局面は絵に書いた様なスクラップ&ビルド、ピンチをチャンスに変える、”チャンス到来”なのです。
しかしながら、そうはいっても経営者であれば誰でも、例外なく直面する頭の痛い問題は、この事態をどう乗り切り、生き残るかということです。
競争に勝つ以前に、まずはサバイバルです。このサバイバルの条件は3つあります。
そのうちの1つでも比較優位があれば生き残れる可能性は十分にあるといえます。その3つとは、当たり前のことですが、知力・体力・気力です。
例えば、知力とはその会社の持つ技術力、開発力、知財、アイデアなど、体力とはお金やお金に換えられる資産や力(営業力や販路)など、そして気力とは経営者をはじめとする社員全員の勇気、チャレンジ精神、忍耐力、やる気などです。
そして、上記の3つのうち、1つも比較優位を持たない場合のサバイバル方法は次の2つです。
- ダメもとで今まで以上に頑張りまくって、あがき続ける。とにかく立ち止まることなく、動き続ける。俺たちに休息はない。
- ひたすら温存、何もしない。動くとお腹が空くので、とにかく寝て待て。でも眠ってはいけない。周囲を静観しつつ、じっとして我慢する。
ただし、この2つのサバイバル方法は、簡単に選択・実行はできません。それなりの準備と覚悟が必要となります。