第15回:コンサルティング料金について

コンサルティング料金のお支払形態には大きく2つの形態があります。稼働工数をベースに料金をお支払い頂く形態(時間チャージ型)と1プロジェクトの料金を予め決め、それを決められた期日にお支払い頂く形態(定額報酬型)です。

1つ目の時間チャージ型は、目的達成までにコンサルタントが稼働する時間をベースにコンサルタントの時給×稼働時間をチャージする方法です。この方法では、人事制度そのものをつくることから、人事・組織に関する様々なアドバイスや質疑応答まで幅広い範囲をカバーすることができます。自社の問題点や取るべき施策を明確にすることからスタートして解決を望む場合や、どのようなアプローチで解決するかを考えることからスタートする場合は、この方法をお勧めしています。私たちの今までの経験から、コンサルタントが提供する様々な情報によって、当初の想定から解決策が変わることはよくあります。実際に、経営管理や組織、マネジメント、現場の意識などに問題がある場合、内容によっては、他の方法で解決を目指した方が上手く行く場合もあります。

2つ目の定額報酬型は人事制度の設計を1つのプロジェクトとして要する期間と料金を予め決めて目的を達成する方法です。すでに、人事制度を改革するという目的が設定されている場合や人事制度が無い、あるいは機能していないなど明確な改革理由と予算の範囲がある場合、また経営上の大きな課題を解決するための人事制度という仕組みとルール作りが必要な場合には、この方法が最適な方法となります。この方法は、人事制度の設計丸ごといくらと決めて取りかかれるので、やり易いと思います。

人事制度設計のコンサルティングにおいては定額報酬型の割合が高くなっていますので、以下この定額報酬型を前提にお話しいたします。

お客様からは、よくコンサルティング料金について、「複数のコンサルティング会社から見積りを取ってみたら、会社により料金がかなり違うですが、どうしてこんなに差が出るのでしょうか。」と聞かれます。

コンサルティングのアプローチや手法は、コンサルティング会社の個性を体現する部分ですので各社各様だと思います。アプローチや手法が異なれば、コンサルティング料金も必然的に異なってくると思います。私は「料金に差が出るのはコンサルティング会社に個性があるからだと思います。その個性を見極めて下さい。きっとお客様のニーズにフィットする会社が見つかりますよ。」とお答しています。

また、お客様によって新しい人事制度に対する要望や解決すべき課題は様々です。要望や解決すべき課題により、コンサルティングの稼働工数等が変動し料金も変動しますので、会社の規模等により一律の料金を適用することはできません。

当社では、お客様から新人事制度に対する要望や解決すべき課題をお聞きした上で、コンサルティングの遂行過程をイメージして「お客様が私たちのコンサルティングのクオリティとコストパフォーマンスに満足頂けて、私たちもこの仕事を手掛けて良かったと確信できる」レベルを想定される稼働工数や経験則を目安に見極め、料金を設定しています。

長年この仕事に携わっていると、コンサルティングという仕事は会社の未来図をデザインすることではないかと感じる瞬間があります。私たちの人事制度設計コンサルティングでは、アイデアを機能に落とし込み、会社の未来図を反映したシンプルでありながら高機能な仕組みを創り上げていくからです。

ですから、今後は発想を転換して、人事制度設計のコンサルティング料金とは「会社の未来図をデザインすることへの投資」なのだと考えてみてはいかがでしょうか。