アパレルの人事制度

人事制度で新しい人材価値を創出

求められる新しいステージでの人材活用

日本のアパレル産業は、過去にない新しい局面に遭遇しています。これは日本の企業や市場の特徴ともいえますが、今までは業界全体でデザイン・技術・品質・サービス&ホスピタリティのレベル向上を意識し、また常に新しい価値観や高いクオリティを提供し続け、顧客との良好な関係を築き、市場を成長させていました。

そして今、さらに市場全体を活性化させる新しい価値観が求められています。それは、新しい販路や業態・グローバル資本の参入、海外市場の開拓など、今までにない大きな変化がもたらす様々な可能性です。この可能性は大きな商機ですが、商機をものにするためには新しい行動力が必要です。例えば、国内から海外への事業拡大、M&A、ITの活用、ブランド再編等、市場優位を考えた戦略とその実現のためには、今までにないステージでの人材活用が求められています。この新しいステージでの人材活用を実現させるのは、新しい人材マネジメントです。

アパレルの人材マネジメントの現状と今後の方向性

アパレル企業の多くは、そのブランドが大好きな人やファッション・洋服が好きな人が集まっているので、販売の現場から企画・生産・経営サイドまで、個々の人材の行動力やモチベーションが良い成果をもたらしているケースが多いと考えられます。

実際、個々の人材に可能性を見出し、早い段階での適材適所の人材活用や社員1人ひとりに対してコンシューマビジネスの基本である「顧客中心の考え方」を現場単位で徹底するなど、マネジメントには大きな特徴があります。また、部門によっては市場の変化をタイムリーに感知し、その都度、組織の自主的な新陳代謝や再編を行うことで、リアルビジネスを成功させるなど、独特のたくましさもあります。

この個人主体の人材マネジメントと組織の自主的な変化対応が企業の成長を促進し、CSの徹底が市場を支えていた時代が長く続きましたが、近年、その均衡に変化が訪れました。多様化する業態や市場の変化に伴い、外資系企業を中心に、より経営戦略が明確で組織的な人材マネジメントにシフトしつつありますが、企業風土や現在利益を考えると多くの企業にとって急激な変化への対応は難しいのが現状です。

また、人材マネジメントと人事制度が常にリンクしているとは限らない場合や人材育成・人材戦略に関して近視眼的であった等、幾つかのウィークポイントを抱えながらも、市場拡大局面にあったことで、問題としては表出しなかったという面もあると考えられます。しかし、現在は、様々な理由から、今までの様な変化対応では現状維持が難しくなっています。今起こっていることを直視し、今までの通念や慣習を考え直してみることが必要です。

Point

  • 個人主体の人材マネジメント、組織の自主的な変化対応のメリット・デメリットを整理して、組織戦略・人材戦略を可視化する。
  • 合理的な人事制度を導入し、新しいインセンティブの考え方や人材育成などとリンクさせる。
  • モチベーションとパフォーマンスに直結する人事制度を導入し、企業競争力を向上させる。
  • 全体的なスキルアップにつながり、1人ひとりの業績貢献に具体性を持つ行動指標を取り入れ、自己成長を促進する。
  • 人材活用における現在価値と将来価値を分析し、新たなスキル・雇用・働き方等を含めた将来性のある新しい人材マネジメントを構築する。
  • アパレル業で最も大切なのは人材と現場力であることを再認識し、パフォーマンスを上げるリアルで具体的な評価⇒フィードバック⇒行動のマネジメントサイクルをつくる。

アパレルの人事制度における可能性

前述したように、日本のアパレル企業は変革期にあります。この数年間の大きな変化に対し、対応しきれていない企業も多いと思います。例えば、以前は企業のデザインコンセプトや個人のデザイナーが「ブランド」そのものであったのに対し、現在は企業のコンシューマデザイン力やプライシング、販路の多様性や商品展開力等が「ブランド力」としてマーケットの支持を得るなど、企業力がブランドとして認知されるようになりました。これに伴い、企業の人材戦略も新しい段階を迎えています。また、企業によってどのような変化を商機とみなすのか、それによっても人材戦略は様々です。

当社の人事制度設計は、この多様性や新規性を整理して何にフォーカスするのかを社員全員が理解し徹底するように、コンセプトを明確にするところからスタートします。そして、個性を伸長し、市場競争力やブランド力をバックアップすることも人事制度の重要な役割だと認識しています。

前述したように、新しい変化に対応するためには、より戦略的な経営と新しい価値の創造が必要であり、結果的に職種の多様化も促進されます。職種の特性に応じた評価や新しいグレード・賃金の考え方は不可欠であり、人材の多様化に伴う全体的なバランスを取り直す必要があります。

また、企業の規模にもよりますが、現状を維持しながら人材を最大限活用したい場合にも、可視化されたシンプルな人事制度を整備することをお勧めしています。個性を重視し差別化を徹底する、あるいは現場のCSや販売力を格段に向上させるなど、何かに特化したり重点課題やプライオリティを明確にするためには、目的を持った人事制度が有効です。特に評価や研修、社内FA、インセンティブなどの新しい人材マネジメントの仕組みを積極的にリンクさせることによって、全体的なパフォーマンスが当初想定した以上に向上する場合もあります。当社が考えるアパレルの人事制度には4つのバリエーションがありますので、ご案内いたします。

アパレル人事制度のバリエーション

当社のアパレル向け人事制度設計コンサルティングの人事制度の主なバリエーションとしては、「プロフェショナル型人事制度」と「人材価値創出型人事制度」の2タイプを新たに企画・開発し、4つのタイプがあります。

シンプルで運用しやすいスタンダードな人事制度

当社オリジナルの職種の特性に応じたスキル評価を基軸としたグレード・賃金制度・評価制度等のシンプルで運用しやすさを追求したスタンダード・タイプの人事制度。新しい人事制度導入に関しては計画的な導入をサポート。

ミニマムサイズの人事制度-ファスト人事制度設計

ベンチャー、急成長企業、短期間で人事制度を整備したい企業向けにアパレル業の各職種の標準的なスキル評価や、必要に応じて標準的なグレード、賃金制度の提供も行うパッケージタイプの人事制度。詳細はファスト人事制度設計をご覧下さい。

プロフェショナル型の人事制度

クリエイティブや販売等の特定の現場力を向上させるべく、ハイパフォーマーの行動特性にフォーカスしたマネジメントを実施するタイプの人事制度。スペシャリストコースや新しいグレードの設定、インセンティブ等のメリハリのある処遇を設定。スキル評価、クリエイティブスキル評価、目標管理、成果申告、オリジナル研修等を組み合せ、評価、処遇に最も効果的なサイクルを作り、自己成長を促進するとともに、人材育成プランを持つ成果主義を実現。

人材価値創出型の人事制度

デザイナー、パタンナー、MD、生産管理、ITエンジニア、海外事業、新規事業等の多職種に及ぶプロフェショナルの全体的なバランスを取りながら、評価、処遇する新しい人材価値と戦略をコンセプトに持つタイプの人事制度。アパレルならではの戦略を重視し、選択と集中、スピード・フレキシビリティを活かした競争力を重視した人材マネジメント手法を提供。

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