
現在のデザイナー人事評価は、デザイナーの仕事ぶりよりもデザイン業務の結果としてのデザインそのものを評価するアウトプット至上主義がベースにあるケースが多いように思われます。これは成果主義とは違い、「良いモノさえできれば、仕事の過程や個人の行動は他の職務に比べて、それほど評価で重視しない」という文化的慣習も含めた結果主義であり、企業が成長期にある場合や評価力が高く均質でルールや基準が明確であるならばシンプルな考え方であるといえます。
しかし、それ以前にはデザイナーは「技術者」であり、その技術を高めていくこととその過程や延長にあるアイデアの具現化とは常に比例してセットになっていました。つまり、表現力や発想力は高い技術と知識、経験に裏打ちされている必要があり、技術を磨き、知識を習得し経験を積むということが評価の対象となっていました。そして、それらの上に「良いモノをつくる可能性」があり、その可能性も評価の対象となっていました。
こうした時代においては、人事評価は指導・育成そのものであり、実力と評価と報酬が正確にリンクしていないことも珍しくありませんでした。いずれもその時代においては合理的な考え方であり、時代と共に変化対応をしているからこそ、課題が生まれ、改善策が必要となるのです。
最近のコンサルティングシーンにおける課題例としては、
- デザイナーのモチベーション・コントロールを考え、最適評価・インセンティブ・貢献度を明確にしたい。
- 成長戦略に必要な人材のスキルを見極めた上で、効率良く組織の新陳代謝と人材育成を図りたい。
- 結果だけにフォーカスするのではなく、例えば変化対応・効率性等の業務やマネジメントに必要なスキルについても評価したい。
- 現在使用している人事評価と現場・戦略実現の行動指標が合致していないので、早々に修正したい。
- 結果・成果のとらえ方を明確にして、個人が自分で考え目標達成行動をとり、自己成長を促進するような仕組みをつくりたい。
等があります。
これらの課題はいずれも、目的に合った新しい人事評価の仕組みとスキル評価を導入することで解決します。
組織風土にもよりますが、人事評価においてアウトプット至上主義色が強い組織の場合、デザイナー個人に自己責任意識や自立心が比較的早い段階から求められます。このような組織の場合、デザイナー自身も自立志向が強まり、自分のペースで「結果を出す」ことに集中できるので本人はもちろんマネジメントサイドにとっても、ストレスの少ない組織であるともいえます。このことは、企業や組織に比較的余裕がある、あるいは成熟状態にある場合において、現在価値の視点から効率的な組織運営と業績貢献を可能にしています。
しかし、企業や組織が縮小や再編、選択と集中による新たな価値観や新陳代謝に向かう時、または急成長段階にある時、今までと同じ考え方を続けていくと「結果を出す」、スピードや安定性において不安やストレスを感じるようになります。また、「期待値」をどこに置くかはとても重要なことです。結果としてのモノも大切ですが、「人材に期待する」というベーシックな考え方を共有していない組織は、将来価値の視点で様々な弱点を抱えているといえます。
このような意味でも、デザイナー人事評価は新たな局面を迎えており、表面化している課題の解決はもちろんのこと、深層部にある本質的な課題をとらえた上で、デザイナーの人事評価設計を行うべきであると考えます。
また、今後、さらに市場競争力、多様性、先進性が求められていくと思われますので、自己成長を促進する人材育成をどのように行っていくのか、新しい明確な指針が必要な時期に来ているということができます。
デザイナーの人事評価は、アウトプットの評価とスキル評価をバランスよく活用する方法が効果的です。スキル評価の詳細はスキル評価、スキル評価Naviのページを参照して下さい。
そして、さらに一歩進んだスペシャリスト評価と人材育成を意識した評価をお考えならば、クリエイティブに特化したクリエイティブスキル評価のページをご覧下さい。










